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認定NPO法人カタリバ (認定特定非営利活動法人カタリバ)

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活動紹介 / Activity

RESILIENCE

子どもからの小さなSOSをキャッチする

チャット相談「ブリッジ」

Concept

学校での人間関係や家庭環境、進路、勉強など、子どもたちの悩みは多岐にわたり、それらに寄り添うことのできる環境整備の必要性が叫ばれています。

「ブリッジ」は、子どもたちが学校配布端末からアクセスできるチャット相談窓口で、教育委員会や学校と連携をして見守っています。オンラインを活用したリソースシェアを実現することで特に地方部の抱える人材不足の問題を解消し、子どもたちの抱える悩みに素早く寄り添い、適切な解決に導くことをめざしています。

活動概要

  • 所在地

    東京都杉並区高円寺南3-66-3高円寺コモンズ(運営事務局)

  • TEL

    03-5327-5667 (平日10時-17時)

  • 活動期間

    2023年〜

  • 対象

    連携自治体の小中学生、保護者、教員

  • 活動内容

    子どもからの相談に、オンラインでの子ども伴走支援に経験のあるユースワーカーと、専門職や教員経験者がチームで対応/保護者や教員からの相談に、専門職や教員経験者が対応

活動の背景

多様化・増加する子どもたちの悩みに対し、寄り添う環境整備は追い付かず

2022年度、学校を30日以上欠席した長期欠席の児童生徒は46万人超(*1)、小中高でのいじめの認知件数は68万件超(*1)と、どちらも過去最多となりました。学校での人間関係や家庭環境、進路について、勉強についてなど、子どもたちの悩みは多岐にわたり、悩みに寄り添うことのできる環境整備の必要性が叫ばれています。

学校に配置される心理や福祉の専門職員にはスクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーがありますが、そのどちらも基本的には非常勤、週に数日数時間の勤務で、増え続けるさまざまな課題を抱える子どもたちに向き合う人的リソースの確保も追いついているとは言い難い状況にあります。

文部科学省は令和6年の予算概算要求でスクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカーの配置充実に90億円を要求していることなどからも、理想の状況に到達するまでにはほど遠い現状が垣間見えています。

(*1)文部科学省「令和4年度 児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果の概要」(令和5年10月)

保護者向けオンライン相談窓口の経験を活かして、子ども向け相談窓口をスタート

カタリバでは、2021年に主に保護者を対象として「カタリバ相談チャット」というオンライン相談窓口を開始しました。利用者はLINEで悩みを相談することができ、精神保健福祉士や元教員などが相談に対応。子どもの不登校について、DV被害について、子育てについてなどさまざまな相談が届いています。匿名性が担保されているため、身近な人には相談しづらい話を気軽に相談でき、必要に応じてカタリバの支援プログラムや自治体が運営する支援先につながることもできます。

この保護者への相談対応の経験を活かして、2023年に石川県加賀市と連携し、子どもたち向けのチャット相談「ブリッジ」をスタートしました。

活動内容

1. 児童生徒と年齢の近い「こども相談員」による相談支援

キャラクターと会話をしている感覚で日をまたいで継続的に会話ができる

子どもたちは、学校で一人一台配布される端末からいつでもアクセスすることができ、寄せられた相談には、児童生徒と年齢の近い「こども相談員」が対応します。こども相談員は、精神保健福祉士などの専門職資格保有者や元教員など子ども対応への経験が豊富な「相談支援コーディネーター」のアドバイスも受けながら、一人ひとりの悩みに寄り添い、コミュニケーションをとっています。カタリバの社内に蓄積されている子どもとの関わり方に関するノウハウも活用しながら、見過ごされがちな「こどものSOS」のキャッチに挑戦しています。

「ブリッジ」での相談のハードルを下げるため、学級担任より使用方法の説明をクラスでしてもらい、実際に触ってみる時間も作ってもらうなど、学校と連携をした導入も行っています。

*ブリッジでの子どもとの関わりの様子は、こちらの漫画でもご紹介しています。

2. 教育委員会・学校と連携し、重大事案にも素早く対応

子どもたちから寄せられた相談から、時にはいじめや虐待、希死観念などが発覚することもあります。このようなケースでは、即座に教育委員会へ内容を共有し、教育委員会を経由して学校側に連携します。学校現場では相談内容に触れることのないように留意して対応を行いつつ、ブリッジではチャットでのコミュニケーションを継続。子どもがいつでも相談しやすい状態を維持しています。

▶︎実際のケース①
スポーツトレーニングのなかで必要以上の指導を受けていると相談。本人は学校への相談に躊躇したため、学校の生活アンケートの回答をきっかけに教員が個別面談をもちかけ、本人が学校側に伝えることができた。見守る体制・相談しやすい関係を構築した。

▶︎実際のケース②
希死念慮の相談。ブリッジでは継続的に気持ちに寄り添いつつ、学校が保護者と面談を実施し、家庭内の課題を学校側が認知するきっかけにもつながった。

3. 保護者や教員からの相談に、専門職や教員経験者が対応

保護者・教員からの、LINEでの相談にも対応しています。相談には、子ども対応への経験が豊富な「相談支援コーディネーター」が対応し、保護者が抱える複層的な問題を紐解き、課題ごとに必要な情報や支援機関につなげつつ、悩みや思いに寄り添っています。また教員に対しては、希死念慮や虐待の疑いのある要配慮の子どもへの現場での対応方法を、個別ケースごとに一緒に考えます。

保護者や教員が第三者に気軽に相談できる環境を届けることで、孤立化を防ぐことをめざしています。

活動の成果

子どもの抱える課題の早期発見

2023年に石川県加賀市でブリッジの取り組みをスタートしてから5ヶ月間で、学校が把握していなかった重大な懸念事案(いじめや校内暴力など)25件を早期に発見し、学校や自治体と連携して対応を行ってきました。これらの事案において、相談開始から事案の把握にかかるまでの日数を調査したところ、平均28.04日(*2)かかることがわかりました。

事案化前後、子どもと「こども相談員」は、日常生活での出来事や好きな食べ物や趣味の話(アニメやゲーム、鉄道、キャラクターなど)、しりとりなどの言葉遊びをして過ごしています。そのようなコミュニケーションを続けているうちに、抱える悩みを打ち明けられることも多く、雑談をして過ごす一定の期間も大切だと考えています。

(*2)カタリバ調べ。25件のうち、事案化まで10日以下の事案は12件。残りの13件での事案化までの平均は52日でした。

子どもたちから寄せられた声

■みんなが、相談しているのに思ったよりも返信が早くてびっくりしました。悩みを一緒に考えてくれてとっても嬉しいです。

■相談してみて、楽しかったし、自分の気持ちを理解してくれている感じがして嬉しかった

連携

石川県加賀市との連携

特に地方部では、子どもたちの悩みに寄り添う相談員の人員確保が難しい場合も多く、環境整備を進める難しさがあります。石川県加賀市では、2023年よりカタリバと協働し、合わせて23の小中で、子どもたちの悩みに対応するオンライン相談窓口を開設。これまでで1,888件の相談が子どもたちから寄せられています。子どもたちからの相談は、学校での友人関係の悩みや家族の悩みなど、ジャンルはさまざまです。

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