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活動紹介 / Activity

RESILIENCE

“ちがい”が生み出す「ゆたかな学び」

外国ルーツの高校生支援「Rootsプロジェクト」

Concept

国籍や生い立ちの違いが格差につながるのではなく、違いが豊かさとなる未来をつくりたい。

「Rootsプロジェクト」は、多様な文化的・言語的背景を持ちながら日本で暮らす、外国ルーツを持つ高校生に向けたキャリア支援を行っています。

外国ルーツの子どもたちにとって、社会との接点の少なさが具体的にキャリアを描く上での課題となっている状況に対し、多様な大人たちとの出会いを通して将来を肯定的に捉えられる機会を広げ、社会とともに、若者の可能性を後押しする仕組みの構築を目指しています。

English page(英語ページ)
中文页面(中国語ページ)
※他言語ページは、内容が2020年時点のものとなっています。2026年6月ごろに更新版を公開予定です。

Serviceサービス

活動概要

  • TEL

    03-5942-9646

  • WEBサイト

  • 公式note

  • 活動期間

    2019年〜

  • 対象

    外国ルーツを持つ高校生

    (国籍を問わず、両親またはそのどちらか一方が外国出身の方の子どもです。日本で生まれ育った子、先に日本で働いていた親に呼ばれて来日した子など、様々な経緯・状況の子どもたちがいます。Rootsプロジェクトには、来日5年以内の高校生が多く在籍しています。)

  • 活動内容

    キャリア対話プログラム(企業インターンシップ、出張授業、1dayイベント)の実施/オンラインキャリアセンター(個別伴走支援等)/ 学校連携 / 地域・自治体連携 / 企業連携 / 専門家連携

活動の背景

進学率の低さと非正規就職率の高さ

文部科学省の調査によると、日本語教育が必要な高校生は全国に5,573人、その人数はこの10年で約2倍に増加しています。(*1)

また日本語教育が必要な高校生は全高校生と比較して、進学率が28.4ポイント低いことや、非正規就職率が35.5ポイント高いというデータも出ており、日本社会で暮らしている彼らを取り巻く環境の厳しさが見て取れます。

この要因の一つとして、外国ルーツを持つ「高校生世代」は、小中学生世代や働く世代と比較して、支援を受けられる機会が少ないためではないかと私たちは考えています。

経済的・家庭的負担が重なり、結果として学業継続や正規雇用を断念せざるを得ない高校生も少なくありません。家族の通訳として行政手続きや通院に同行せざるを得ない状況や、在留資格等の制限により公的支援を受けられないといった構造的な課題が存在します。

※文部科学省「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査(令和5年度)」よりカタリバにて作成

言葉の壁は、氷山の一角

外国ルーツを持つ人々が日本の社会で暮らしていくうえでのボトルネックとして「言葉の壁」が挙げられることが多くあります。

一方で、Rootsプロジェクトが2019年に活動を開始し様々な子どもたちと出会う中で、言葉の壁は氷山の一角にすぎず、「社会とのつながりの少なさ」や「能力を育成する機会の少なさ」も、将来を描くうえでのボトルネックになっていることが見えてきました。

特に、Rootsプロジェクトで出会う高校生は、学齢期の途中で来日している場合も多く、未来の可能性が開かれる時期に国を超える移住を経験しています。その過程で、母国で積み上がっていた人間関係や社会とのつながり、そしてキャリア展望のリセットが起こります。日本にいても社会とのつながりは学校の中に限られ、日本社会とはどういうものかを十分に知らないまま、進路選択を迫られているのが現状です。

こうした課題をもとにRootsプロジェクトでは、外国ルーツを持つ高校生と、日本社会で働く多様な大人との出会いをつくる事業を軸に活動しています。これまで社会との接点が限られてきた子どもたちにとって、日本社会にある多様な「働く」を身近に感じるとともに、自分たちへの将来の期待を受け取る経験は、各々が自身の可能性を肯定的に捉え直すきっかけになります。私たちは、そうした経験を通じて生まれる意欲と創造性を信じて、活動しています。

活動内容

企業と外国ルーツの高校生をつなぎ、互いに学び合う場をつくる「Rootsインターン」

活動中の生徒たち

Rootsインターンは、日本の企業と連携し、外国にルーツを持つ高校生が、職業体験や対話を行うキャリア支援プログラムです。日本にある企業が、彼・彼女らを「働き手や労働力」として迎えるのではなく、目の前の進路に迷う一人の若者に、同じ社会に生きる大人として出会うこと。双方に、対話を通じてお互いの言語・文化・価値観を知る機会を創出しています。

プログラムは、実際の職場を訪問する1dayインターンシップ形式で行います。その前後には、事前の目的整理から、体験後の振り返りまで、個別の伴走支援を丁寧に行います。自身の関心を整理し、体験後の変化を次の一歩(アクション)に繋げるプロセスを通じて、参加した高校生が自己理解を深め、自分自身のキャリアを主体的に描いていく力を育みます。

▼連携企業、Rootsインターンの詳しい内容、生徒・企業の感想レポート:
noteマガジン:Rootsインターンレポート(#高校生発信&インタビュー)

将来の可能性に出会い、学校内・外で他者とのつながりをつくるための相談場所「オンラインキャリアセンター」

Rootsオンラインキャリアセンターでは、進路や大学、奨学金などの情報、学校外イベントやインターンシップなどの機会、在留資格や制度などについてメンター(伴走者)が高校生と一緒に調べ、実際に進路形成のための行動につながるまで、伴走します。興味に合うRootsインターンへの参加、必要な学習や経験の整理、大学費用の見通しや奨学金の確認などが可能になり、具体的なキャリアプランを描けます。

▼Rootsプロジェクトで出会った海外ルーツ高校生たちの進路体験記:
https://note.com/kataribaroots/m/m62fae1fa06d5

外国ルーツの高校生と働く大人が出会い、互いに可能性を見つける「#meet5000」

日本に暮らす約5,000人(*2)の外国ルーツを持つ高校生が社会とつながる場を創出し、その背景にある構造的な課題の解決を社会を巻き込みながら推進していく運動として、「#meet5000」キャンペーンを2025年に立ち上げました。

キャンペーンの一環として、「外国ルーツの高校生と働く大人が小さな主語(わたしとあなた)で出会い直す」対話型キャリアイベント「#meet5000フェス」を開催しています。

このイベントは、Rootsインターン参加にハードルを感じていたり、キャリアを考え始めたいと思っている高校生が気軽に参加できる場です。彼・彼女たちが、自身のキャリアや進路について考えるきっかけをつくることや、関わる企業・団体の輪を広げて協働を生み出すことを目的としています。

外国ルーツを持つ全国の高校生に機会を届けるために、各地域の団体との連携を広げていくことにも取り組んでいます。連携することで、地域を超えて高校生同士がつながり、地域ではつながりづらい業界・職種で働く社会人と出会い、選択肢が広がっていくことを目指しています。

▼「#meet5000」特設サイト:
https://roots.katariba.or.jp/meet5000

活動の成果

Rootsインターンに参加した高校生(2024年度の参加者)を対象に参加者の変化と効果についての調査を行いました。その結果、Rootsインターンの参加を通して、レジリエンス(困難を乗り越える力)を高めるとともに、周囲の大人や環境に対する認知をポジティブに変化させる効果をもたらしていることが示されました。

特に、信頼できる大人との関係が広がり、「自分の挑戦を応援してくれる人がいる」という実感が強まったことは、今後、彼・彼女たちが社会と関わっていく上での前向きさや新たな挑戦への意欲につながる重要な基盤になると考えています。

困難に直面してもそれを乗り越えて回復する力「レジリエンス」の向上

Rootsインターンに参加した高校生には、レジリエンス(困難を乗り越えて回復する力)の強化が見られました。参加した高校生たちは、「日本人向けの機会しかない」という社会の壁や、初めての場所・人と出会うことへの不安、自身の日本語力への自信のなさなど、それぞれが置かれる状況によって、様々な壁や不安と向き合っています。

そうした中でも、インターンシップ参加を通じて成功体験を得られることで、新たな挑戦への自信につながっている様子がうかがえます。実際に「自分にはアルバイトなんてできない」と自信を持てずにいた状態から、自ら応募して働く機会に接続したり、興味はあるものの未経験で躊躇していたプログラミングやゲーム制作に挑戦したりと、自らのキャリアに向けた具体的な一歩を踏み出せるようになっています。

環境に対する認知がポジティブに変化

周囲で信頼できる大人の数を尋ねた質問では、「信頼できる大人の数」が全体的に増加する結果が見られました。また、「自分のチャレンジを応援してくれる理解的な環境がある」という実感についても、増加の傾向が見られました。

外国にルーツを持つ高校生は、複数の言語や文化的背景を持ち、新しい環境の中で選択肢が制限される場面もあります。自分には日本で働ける場所があるのかや、関心のある分野でしたい学びを追求できる場があるのかが分かりにくく、キャリア選択に不安が伴うこともあります。そんな中で、これからの選択肢について一緒に考えてくれる大人の存在と出会いが、安心できる社会参画につながる兆しになることがうかがえます。

▼検証方法やデータの詳細:
ともに歩む可能性への”はじめの一歩”多様な未来を切り拓くキャリア支援の取り組みと効果

連携

学校との連携

外国にルーツを持つ生徒を対象とした入試枠を設けている学校を中心に説明会を実施し、「Rootsインターン」への希望者を募っています。

また、インターンに向けての事前準備内容や、参加後の報告内容を学校へ共有したり、インターンを通して見えてきた生徒のもつ関心・意欲・懸念を多角的に学校に共有したりすることで、学校での進路指導にも活かせる仕組みづくりを進めています。

他にも、外国にルーツを持つ生徒を対象としたキャリア対話の出張授業やスクールソーシャルワーカーからの相談への対応などの連携も行っています。

地域・自治体との連携

地域で暮らす外国にルーツを持つ高校生が自己実現できるとともに、多様な背景をもった方々が共創し活気あふれる地域となることを目指し、令和5年度にカタリバが群馬県との連携協定を締結しました。県内企業と協働して「Rootsインターン」プロジェクトを進めています。

▼群馬県との連携事例の詳細:
群馬県 多文化共創担い手事業 Rootsインターンを実施しました(前編)
想像だけじゃ、人の温もりやエネルギーのぶつかりあいってわからない -群馬県 多文化共創担い手育成事業-(後編)

専門家との連携

弁護士を通じた在留資格の取得・更新などに関するサポートや、進学に必要な費用を事前に整理・可視化し、利用できる制度や資金計画について一緒に考えるファイナンシャルプランニングなど、情報・機会・制度とつながれるようにコーディネートしています。

 

*1-2 文部科学省 令和6年8月「日本語指導が必要な児童生徒の受入状況等に関する調査結果について(令和5年度)」:https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/31/09/1421569_00006.htm
*「外国ルーツの高校生支援Rootsプロジェクト」は 認定NPO法人カタリバの登録商標です(登録6739783)

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