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認定NPO法人カタリバ (認定特定非営利活動法人カタリバ)

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活動紹介 / Activity

RESILIENCE

不登校の子どもたちに安心と自信を

おんせんキャンパス

Concept

学校に通うことに困難を抱えている児童・生徒に、安心できる居場所と様々な学びの機会を届け、自信と将来の希望につなげたい。そんなコンセプトで始まった島根県雲南市のおんせんキャンパスでの不登校支援の取り組みは、一人ひとりの習熟度に合わせた学習支援とともに、農作業や地域行事への参加などキャリア発達のための活動も取り入れています。また家庭や学校などにスタッフが訪問する形での支援にも力を入れており、学校や保護者と密に連携をとりながら、子どもたちの再登校や継続登校、進路実現を目指してサポートしています。

活動概要

  • クライアント

  • 所在地

    〒699-1342 島根県雲南市木次町平田506番地

  • TEL

    0854-48-0007

  • 活動期間

    2015年6月〜

  • 対象

    雲南市在住(及び近隣)で学校生活や登校することに困難を抱えている小中高生

  • 活動内容

    居場所運営/学習支援/体験活動/家庭訪問/学校連携/保護者支援

活動の背景

「学校に行かない」ではなく「学校に行けない」子どもたちの苦しみに寄り添う


2020年度に「不登校」とみなされた小中学生は、前年度より増加し19万6127人と、過去最多だったことが文部科学省の調査結果(※)より明らかになりました。

ゲーム依存”など生活習慣の乱れ、友人や先生、親との関係、勉強のつまづきや家庭内の不和など、きっかけや継続している理由は様々ですが、多くの子どもたちは、長い月日をかけて辛い思いをし続けた結果、「学校に行かない」ではなく「学校に行けない」状態になっています。目に見える「不登校」という状態だけではなく、その背景を想像し、その子の成長のために何ができるかを考え、最善のサポートができれば、どの子も心の奥に持っている学びたい・楽しみたいという気持ちに火が灯るはず。ナナメの関係は、きっとその力になる。そんな想いで2015年6月から、島根県雲南市で廃校となった旧温泉小学校の校舎を活用した「おんせんキャンパス」での不登校支援の取り組みを始めました。

※文部科学省:「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果

活動内容

子どもたちが安心して生活ができる、居場所をつくる

最も大切にしていることは、まずは子ども達が安心して集まれる“居場所”と、何でも相談できる大人との関係性をつくることです。安心できる環境をつくるために、学校の教員や地域コーディネーター、心理職など多様な経験を積んできたスタッフが、子どもたちの日常を支えています。心の安心のうえで学校への登校や進路実現ができるように、基礎的な学力を身につけるための学習支援や、規則正しい生活習慣や人間関係の構築力を養う体験学習プログラムの実施なども行なっています。また、中学校を卒業した子ども・若者世代に対しても、高校生活に関する相談に応じたり学習支援を実施したりするなど、継続的なサポートを行なっています。

家庭への訪問支援も実施

おんせんキャンパスでは、施設を利用する子どもたちを待つだけでなく、スタッフが家庭へ訪問する「アウトリーチ」も行なっています。不登校傾向の子どもたちの中には、自宅で引きこもり状態となっている子もいます。長期的な引きこもり状態の脱却に向けて、まずは定期的に家庭を訪問し、会話や遊びなどを通して子どもや家族との関係構築を図ることからスタートします。子どもの意志を尊重しつつ対話を重ねながら、おんせんキャンパスの利用や学校への別室登校など、家庭から一歩を踏み出すための関わりを行なっています。

学校との綿密な連携。ユースワーカーの派遣も

おんせんキャンパスでは、学校へのアウトリーチも行なっています。学校には不登校の子どもたちが自分のクラスではない別室に登校する「別室登校」という環境があります。おんせんキャンパスは市内の小中学校と連携して、スタッフを別室登校を行う子どもたちを迎え入れるユースワーカーとして派遣。子どもたちとの会話や学習サポートを行なっています。子どもたちの中には、おんせんキャンパス利用と学校の別室登校を併用している子もおり、同じスタッフが出迎えることが、心の安心にも繋がっているケースもあります。
学校には、おんせんキャンパスや別室登校での学習などの進捗や、頑張っている様子を毎日レポートで共有。また校内会議にも出席して、不登校の子どもたちへの足並みを揃えた支援体制を築いています。

上記のような家庭訪問や、自治体・学校との連携を通じて雲南市内の不登校児童生徒の状況を網羅的に把握し、包括的な支援方針の検討・実行に繋げています。

保護者の不安にも寄り添いサポート


保護者には、メールや電話で活動の様子をお伝えするとともに、保護者の方から、子どもたちの家庭での様子を共有してもらう面談を行っています。保護者の方の困り感や孤独感、家庭内の状況や親子の関係性など様子を聞き、保護者へのサポートに生かします。また、保護者会・勉強会を定期的に開催し、保護者や家族同士のつながり、スタッフとの関係性をつくる活動もしています。

活動の成果

子どもと保護者の前向きな気持ち

おんせんキャンパスでの活動を始めてから、子ども・保護者支援プログラムの充実と連携体制を強化することで、利用者の増加・再登校につながる子どもは約7割となっています。
保護者の方に行ったアンケート結果からは、多くの親御さんが安心と自信を子どもたちが取り戻したと感じていること、また親御さん自身の気持ちも前向きになっていることが分かりました。

おんせんキャンパスに通う子どもたちの保護者向けアンケート結果

保護者の方からいただいた声

■子どもが中学3年の1年間、学校へ通うことができたのはおんせんキャンパスで過ごした1年があったからだと思っています。勉強だけでなく、子どもに寄り添い、色々なことを経験させていただきありがとうございました。
■子どもの好きなこと(釣り)を休日に一緒にしてもらったり、話題作りの場面を作ってもらい感謝しています。
■子ども一人一人の事をよく理解してくださっているなあと本当に有難い気持ちです。「おんせんキャンパス」という場所を見つけたことはとても良かったです。
■悩んでいる保護者さんや子どもたちに、もう少し早めにおんせんキャンパスのことを知ってもらえるようにしてもらいたいです。どこに相談したらいいのかわからない人がたくさんいると思います。話を聞いてもらうだけで楽になれると思います。

連携

行政との連携

思春期の子どもたち特有の心理的な葛藤、発達上の特性、家庭環境など、様々な背景を抱えている子どもやご家族に適切なサポートを届けるためには、教育、福祉、医療といった専門機関との協働が必要不可欠です。教育委員会や福祉部局からアドバイスや助言をいただいたり、定期的な情報交換の機会をつくったりしています。また、市全体の教育活動がより充実するために、教育委員会と協働し、今後の不登校対策についての研修会や意見交換会、ガイドライン作成を行っています。

地域の他団体との連携

施設内だけでなく雲南市全域をフィールドにして、好きなことや得意なことに熱中したり、新しいことに挑戦したりする機会を届けるために、地域の社会教育機関やNPO団体と協働プログラムを実施、開発しています。また、地域自主組織の活動のボランティアを行うなど、地域貢献活動を通したキャリア教育にも取り組んでいます。

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