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認定NPO法人カタリバ (認定特定非営利活動法人カタリバ)

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活動紹介 / Activity

RESILIENCE

学校に通うことが難しい児童生徒とその家族をサポートするために

オンライン不登校支援プログラム

Concept

2020年度に「不登校」とみなされた小中学生は、前年度より増加し19万6127人と、過去最多だったことが文部科学省の調査結果より示されました。
オンライン不登校支援プログラムでは、「先生と合わない」「病気を抱えている」「発達特性がある」「コロナ禍で自主休校せざるをえない」など、 さまざまな理由で学校に通うことが難しい児童生徒に対して、臨床心理士や社会福祉士などの専門性を持つコーディネーターらとともに、一人ひとりに合わせた学びを届けています。
またその保護者に対しても、面談や保護者会などを通じて、一人で悩みを抱え込まないようサポートしています。

活動概要

  • 所在地

    東京都杉並区高円寺南3-66-3高円寺コモンズ(運営事務局)

  • TEL

    03-5327-5667 (平日10時-17時)

  • WEBサイト

  • 活動期間

    2021年〜

  • 対象

    学校に行くことができない児童生徒とその家族、不登校支援に取り組む行政・学校

  • 活動内容

    個別支援計画の作成/保護者・子どもそれぞれに対する定期的な個別面談/オンライン教材を活用した学習支援/オンライン無料相談窓口/オンライン保護者会

活動の背景

学校に行けない「長期欠席者」の児童生徒は年々増加し28万人超

2020年度に「不登校」とみなされた小中学生は、前年度より8.2%増の19万6127人で、過去最多だったことが文部科学省の調査結果(※)より示されました。

さらに、上記に加えて「病気」「経済的理由」「新型コロナウイルスの感染回避」などで、年間30日以上学校に行けていない長期欠席者も含めると、実はその数は28万7,747人にも上ります。

一方で、不登校の子どもたちをサポートする「不登校特例校」や「教育支援センター」は、設置が自治体の努力義務となっていますが、実際に設置されている自治体は全国の約6割にとどまり、不登校の児童生徒数に対して公的支援が足りていないのが現状です。

※文部科学省:「令和2年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果

一人ひとりに合った学びのカタチを見つけるオンライン不登校支援プログラムを開始

カタリバでは、2015年から、学校生活や登校することに困難を抱えている小中高生を対象に、家庭訪問や居場所の提供、学習支援などのサポートを行ってきましたが、2020年以降のコロナ禍においては、さらにさまざまな事情を抱える家庭から声が寄せられるようになりました。

「病気の家族がいて、コロナ感染回避をする必要があり自主休校せざるをえない」

「度重なる休校や環境の変化のストレスから学校に行けず、 医療機関にかかったところ、 HSC(Highly Sensitive Child)傾向があると知った 。 不登校が2年続いている」

また「学校生活が合わず不登校になったが、 知能検査を受けたところ IQ150以上、 そしてギフテッド かもしれないと助言を受けた」

という方もおり、子どもたちの状況は多様化し、複雑になってきていると感じます。

どんな子どもにも、その子に合った適切な学びに当たり前につながれる世界をつくりたい。そのような想いから、オンラインで一人ひとりに合わせた学びの形を提案する不登校支援プログラムをスタートしました。

活動内容

1. 学校に通うことが難しい子どものためのオンラインの学び場「room-K」

オンラインの学び場「room-K」は、現役小学校教員や特別支援学校教員などの専門家とともに開発した独自の不登校支援プログラムです。

臨床心理士や社会福祉士などのバックグラウンドを持つコーディネーターが、保護者・子どもと面談し、個別支援計画を作成。その計画をもとに、専属の支援計画コーディネーター・子どもメンターがオンラインで定期的な面談を行い、子どもと保護者に寄り添いサポートします。

子どもたちに寄り添う子どもメンター

子ども一人ひとりの発達や特性に合わせたオリジナルの時間割を作成

子どもたちは、週に1回の「作戦会議」と呼ばれるメンターとのミーティングを繰り返しながら、支援計画コーディネーターとの面談を経てオリジナルの時間割「マイプラン」を作成します。「マイプラン」をもとに、自分がたてた予定に沿って行動できるか、小さなチャレンジを積み重ねていきます。

時間割例

また、事業理念に賛同いただいた民間企業との協働により、AI(人工知能)型教材や探究型プログラミング、算数講座などのデジタル教材やオンライン講座による学びの機会も提供。一人ひとりの子どもに合った教材を組み合わせながら、得意を最大限まで伸ばせるような学習計画を立てています。

2. 不登校の子どもを持つ保護者が悩みを相談できる2つの居場所

「発達特性があって学校に通うことが難しい」「自分らしい学習の方法やペースがつかみにくい」など、実際に不登校になるきっかけはさまざまで、その背景は単純ではありません。しかし共通して言えることは、親がなんとかしなければと苦しい状況に追い込まれ、その負担が増してしまうということです。

不登校の悩みを持つ保護者は、一人でその悩みを抱え孤独を感じている人も少なくなく、そんな保護者の方に寄り添うための取り組みもスタートしました。

■1対1で、我が子の不登校の悩みを相談できる「オンライン無料相談窓口」

不登校に悩む、小学生〜高校生までの子どもを持つ保護者を対象に、30分のオンライン面談を行っています。直接話すのが難しい場合、LINEのチャットでの相談も可能です。ご家族の想い・悩みを聞きながら、子どもにあった学びの方法や居場所を一緒に探します。

■保護者同士がつながり、悩みや困りごとを話せる「オンライン保護者会」

不登校の子どもを持つ保護者の経験を聞きながら、保護者同士がつながりこれからのことを考える「オンラインおはなし会」を無料で開催しています。

活動の成果

サポートする保護者へのアンケートからは、オンライン不登校支援によって、「子どもが目標を持って生活している」ことや、保護者自身が「自分の居場所を見つけることができた」と感じていることなど、ポジティブな変化が見られています。

■「room-K」に参加した子どもの変化(保護者からの声)

・今までは、夜遅くまで起きてお昼前まで寝ていましたが、ちゃんと夜早く寝て、朝早く起きるようになったのが最大の変化です!

・この何年か、次の日に「予定」があることがなかったので嬉しい。本人も張り切って参加しています。

・外出するのはハードルが高いですが、自宅にいながら参加出来るのでハードルが下がります。

・子どもの興味があることを入り口に関心を広げようとしてくれているのが本当にありがたく、取り組みに対しての効果がでていると感じています。

・学校に行けていない中で、毎日room-Kに参加できることは本人のできるという自信に繋がっていると思います。

・メンターさんとの作戦会議があるから、こどもが目標を持って生活することができています。

■「オンライン保護者会」に参加した保護者の声

・いろいろなお子さんを育てている親御さんがたくさんいると知れて、自分だけじゃないことを感じられました。今まで娘の居場所を見つけることが優先されていたけれど、母親である自分の居場所がなかったのかもしれません。ここでなら自分の気持ちが話せる。自分の居場所になれるのかもしれない、と感じることができました。

・参加できてよかったです。子どもを持つお母さんのサポートが必要とすごく感じました。不登校の問題の根っこはお母さんの元気が大きい。子どもが不登校になって、育て方や自分を責めたこともありましたが、その分、教育の問題など見えないものもたくさん見えました。親が関われる居場所が少なすぎることが問題だと感じます。このような場はとてもありがたいです。

・それぞれ立場が違うものの、困りごと、課題には共通点があります。みんな悩んでるんだなと知るだけでも元気がもらえます。

連携

▶企業との連携

子どもたちが利用するオンラインの学習教材やプログラムについて、複数の企業より、「無償」、ないしは「プログラム開発パートナー」という形で提供いただいています。

※2021年12月13日現在

▶︎行政・学校との連携

「音やダンスで表現することが得意な子ども」「特定の分野に尋常じゃない集中力を発揮する子ども」「興味や関心が拡散しやすい子ども」など、学級にはさまざまな特性をもつ子どもが存在します。一斉授業スタイルは限界に来ているという指摘もある中で、皆同じことを一斉にやり、皆と同じことができることを評価してきたこれまでの教育に対する社会全体の価値観を変える時が来ているのかもしれません。

現在は、家庭に対するホームスクーリングの支援をメインに行なっている本プログラムですが、将来的には日本全国の自治体、学校とオンラインの支援者がチームを組んで子どもたちの学びを支えるということも見据えて事業を展開していきたいと考えています。

官民の連携により「学校に行けなくなってから」ではなくもっと前の段階で、子どもの発達、特性に合った学びの機会を届け、不登校の未然防止にもつなげる。そのような世界を目指して、子どもたちにとって本当に必要な支援を提供していける体制を目指します。

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