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認定NPO法人カタリバ (認定特定非営利活動法人カタリバ)

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活動紹介 / Activity

DISCOVER

学校の当たり前は自分たちで変えられる

みんなのルールメイキングプロジェクト

Concept

「ツーブロック禁止」
「靴下の長さは膝からくるぶしの1/3以下の長さ」
など、学校ごとにある様々なルールや校則。

「みんなのルールメイキングプロジェクト」では、既存の校則やルールに対して生徒が主体となり、先生・保護者などの関係者との対話を重ね、納得解をつくることを通して、課題発⾒・合意形成・意思決定をする⼒を高めていくことを目指し、全国の中学・高等学校や自治体とともに活動に取り組んでいます。

活動概要

  • 所在地

    東京都中野区中野5丁目15番2号(運営事務局)

  • TEL

    03-5942-9646 (平日10時-17時)

  • WEBサイト

  • 活動期間

    2019年〜

  • 対象

    校則見直しに取り組む全国の中学・高等学校、自治体

  • 活動内容

    コーディネーターを派遣した対話的な校則見直しの推進サポート/教材開発・提供/評価研究の実施/校則・ルール見直しにおける行動指針「ルールメイキング宣言」の作成/学び合いのコミュニティ運営

活動の背景

文科省「校則の内容は、絶えず積極的に見直されねばならない」
——全国へ広がろうとしている校則見直しの動き

2021年6月8日、文部科学省から全国の教育委員会へ、社会常識や時代に合わせて積極的に校則を見直すよう、「校則の見直し等に関する取組事例について」が示されました(*1)

そこでは、校則の内容は生徒や保護者の声、地域の状況、社会常識や時代に合わせて積極的に見直されるべきであること、そしてその見直しを学校が生徒たちとともに行うことで生徒自身の主体性を育む機会になるということと共に、いくつかの地域・学校における実践事例、校則を設定する意義・目的が紹介されており、全国の教育委員会から各校への周知が促されています。

*1 「校則の見直し等に関する取組事例について」(文部科学省)
https://www.pref.osaka.lg.jp/attach/4475/00019460/01_monka_tuuti_03_176.pdf

2019年に始まった、生徒主体で校則やルールを見直すプロジェクト

カタリバでは、既存の校則やルールに対して生徒が主体となり、先生・保護者などの関係者との対話を重ね、納得解をつくることを通して、課題発⾒・合意形成・意思決定をする⼒を高めていく「みんなのルールメイキングプロジェクト」に2019年から取り組んできました。学校のルールである校則をよりよく変えていく「ルールメイキング」に取り組むことで、身の回りの課題に気づき、多様な他者とともに納得解を導くことのできる市民社会の担い手を育てることを目指しています。

2019年は2校から始まったこの取り組みでしたが、年を追うごとに社会の関心も高まり、2021年度には新たに11校の中学・高等学校、2つの自治体が加わり、各校でのプロジェクトがスタートしています。

これらは、経済産業省「未来の教室」実証事業に採択され実施しているものです。

活動内容

1.実証事業校へのコーディネーター派遣を通した実走支援

ルールメイキングの活動を支える外部からの伴走役(コーディネーター)を、実証事業各校へ派遣し、校則改訂に向けたプロジェクト全体像の設計や校則見直しにおける生徒・教員・保護者などとの対話のづくりの伴走など、生徒・先生にとっての良き相談役として学校現場での取り組みを支援します。

また、新たな視点や学びを自校に持ち帰ることができるよう、実証事業校同士の情報交換・交流の機会も定期的に提供しています。

2.自治体主導によるルールメイキングの活動支援

教育委員会が中心となり、自治体内の複数校でルールメイキングを行う取り組みも始まっており、体制づくりなどのサポートを行っています。

地元の民間人材の活用や指導主事による活動支援など、自治体ごとに独自の体制を構築して、広域的な取り組みとしていくことを目指しています。

3.ルールメイキングをはじめてみたい個人・学校・自治体への教材提供・実践導入サポート

日本全国には、中学校・高等学校が15,000校以上(*2)存在します。より多くの学校で、生徒を主体とした対話的な校則見直しの場が育まれていくために、みんなのルールメイキングプロジェクトでは、校則・ルールの見直しを検討している個人・学校・自治体に「パートナー」として登録いただいき、教材・研修の提供、他校の教員や生徒との交流イベントの実施などを通して、各校の教員・生徒が自走的にルールメイキングに取り組んでいけるよう実践導入のサポートをしています。

*2 文部科学統計要覧(令和3年版)
https://www.mext.go.jp/b_menu/toukei/002/002b/1417059_00006.htm

4.校則・ルール見直しにおける指針「ルールメイキング宣言」の作成

2019年以降数年間にわたり全国の中学・高等学校でルールメイキングに取り組んできたなかで、「ルールメイキングにおいて欠かせないポイント」や「活動を始める前に知っておきたいこと」などが見えてきました。

さらに、先述の文部科学省の通達による影響なども含め、日本全国に校則見直しの動きが広がりつつあります。

みんなのルールメイキングプロジェクトでは、ルールメイキングという活動が当たり前となる社会を目指し、生徒が主体となって校則を見直していく上で、大切にしたいポイント・方針をまとめた「ルールメイキング宣言」の制作に着手しています(2021年内に完成予定)。

「ルールメイキング宣言」の制作にあたっては、宣言の内容を検討する「みんなのルールメイキング委員会」を発足し、宣言づくりを進めています。

■「みんなのルールメイキング委員会」サポーター(五十音順、敬称略、2021年8月時点)
・ 安部芳絵 (工学院大学 教育推進機構 准教授)
・ 今村久美 (認定NPO法人カタリバ 代表理事)
・ 内田良 (名古屋大学教育学部 准教授)
・ 勝野正章 (東京大学教育学部 教授)
・ 讃井康智 (ライフイズテック株式会社 取締役 最高教育戦略責任者)
・ 神野元基 (合同会社LINKALL 代表)
・ 末冨芳 (日本大学文理学部 教授)
・ 瀬戸昌宣 (NPO法人SOMA 代表理事)
・ 田中麻衣 (スウェーデン就学前学校Guldklimpar 理事)
・ 苫野一徳 (熊本大学教育学部 准教授)
・ 内藤佐和子 (徳島市長)
・ 中島さち子 (株式会社steAm 代表取締役社長)
・ 平井聡一郎 (株式会社情報通信総合研究所 特別研究員)
・ 真下 麻里子 (弁護士)
・ 安田馨 (安田女子中学高等学校 副校長)
・ 若新雄純 (株式会社NEWYOUTH 代表取締役)

■中高生メンバー(五十音順、敬称略、2021年8月時点)
< 団体(2団体)>
・筑波大学附属坂戸高校 生徒会
・熊本県立熊本農業高等学校 生徒会

< 個人(7名)>
・安達 晴野(東京都立北園高等学校3年)
・角谷 樹環(北海道中川郡幕別町立幕別中学校3年)
・林 樟太朗(近江兄弟社中学校2年)
・藤田 崇都(千葉県立成田国際高等学校3年)
・藤田 星流(東京大学教育学部附属中等教育学校6年)
・まき (N高等学校3年)
・渡邉 すみれ(平塚学園高等学校3年)

5.研究者と連携した実証研究

ルールメイキングが生徒・先生・学校にどのような変化をもたらすのか、取り組みの可能性や課題も含め、大規模なアンケート調査や、学校現場への参与観察などを通して明らかにしていきます。

本研究のために下記の研究者や大学院生からなる研究チームを立ち上げ、学術的な観点から調査・研究を進めています。
・研究統括:大阪国際大学短期大学部ライフデザイン学科准教授/古田雄一 氏

活動の成果

みんなのルールメイキングプロジェクトを通して、生徒や教員の考え方にポジティブな変化が起こる

ルールメイキングを実施した学校では、生徒の主体性や社会性にポジティブな変化が現れていることがアンケートから見えてきています。

また教員からも「このプロジェクトへの参加を通じて、自分自身の生徒への関わり方が変わった」といった声があがるなど、生徒のみならず教員にも影響を与えていることが見えてきています。

2020年度実証事業校、安田女子中学高等学校の生徒へのアンケート

2020年度実証事業校、教員の声

■私は生徒との関わりの中で、つい結論を急いでしまったり根拠を求めてしまうところがあったのですが、プロジェクトに携わる外部の方が生徒を優しく暖かく見守ってくれる様子を見て、「こういう風に話を聞かないといけないな」と思いました。この1年間で、生徒への関わり方は変わったなと自分でも思います。

ルールメイキングプロジェクトのいいところは、前向きなエネルギーで学校をつくっていけるところだと思います。「校則を変えないと批判されるから」ではなく、「みんなで良い学校をつくりたいから」という理由で、生徒達が中心となって校則と向き合うことができます。

■これまでは「いつ面接に行っても大丈夫な服装と髪型をするように」と指導をしてきました。でもある生徒が「自分たちはそんなに馬鹿じゃない。面接に行くときは自分でちゃんと服装と髪型を考えられる」と言ったんです。その通りだと思いました。もっと生徒を信頼し、きちんとできるという前提のもとに指導をしないといけないと気づきました。

連携

学校との連携

2021年度は、下記11校の中学・高等学校と「実証事業校」として連携し、ルールメイキングの活動を支える外部からの伴走役(コーディネーター)を派遣しながら、取り組みを進めています。

自治体との連携

2021年8月現在、下記の自治体と連携し、地元の民間人材や指導主事が自治体内の各校でルールメイキングを行っていくための体制づくりに着手しています。

・福井県教育庁
・広島県教育委員会

官公庁との連携

ルールメイカー育成プロジェクトは、経済産業省「未来の教室」実証事業に採択され実施しています。

※「みんなのルールメイキング」は 認定NPO法人カタリバの登録商標です(登録6739781)

Photo Gallery

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