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認定NPO法人カタリバ (認定特定非営利活動法人カタリバ)

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活動紹介 / Activity

DISCOVERPOSTTRAUMATIC GROWTH

震災の悲しみを強さに、夢を「創る」学び場

ましき夢創塾

Concept

2016年の熊本地震で特に被害が大きかった熊本県益城町。多くの子どもたちが住む場所を奪われ、仮設住宅での生活を余儀なくされました。そこで活動する「ましき夢創塾」のコンセプトは、「つらかった震災の体験を乗り越えて子どもたちが力強く夢を創っていける学び場をつくる」こと。日中は学校で、夜は仮設住宅団地で、時には地域へ。様々な場所を起点に、学習支援に留まらない益城町の子どもたちへの支援を続けています。

活動概要

  • クライアント

  • 所在地

    益城町立中学校・仮設住宅団地(活動場所)
    熊本県熊本市中央区水前寺4丁目31-13 サーパス水前寺403(事務所)

  • 活動期間

    2016年6月〜

  • 対象

    益城町在住・在学の中学生・高校生

  • 活動内容

    居場所運営/学習支援/体験プログラム/
    学校連携/地域連携

活動の背景

町を襲った最大震度7の大地震

2016年4月、熊本県を最大震度7の地震が二夜連続で襲いました。その後、震度3以上の余震が4,000回以上も発生。度重なる地震の経験から、PTSDの症状が見られる子どもたちもいました。
また、益城町の9割以上の住宅が地震被害を受け、うち約半数は全半壊と認定されるなど、多くの町民が住む場所を奪われました。同時に校舎にも被害が大きく、一時は学校機能が麻痺。授業が再開してからも通常の時間割に戻るまでには時間がかかり、学習の遅れが懸念されました。2018年現在も多くの中学生が仮設校舎で学習しています。

本音を語れる相手の必要性

プライバシーのない、狭く、不便な仮設住宅等での生活によるストレス。学級には地震をきっかけに町外へ引っ越す子どももおり、コミュニティの変化によって精神的に不安定になる様子も見られました。しかし、津波被害が広範囲に及んだ東日本大震災と比較して被災状況に格差があることから、「自分はまだ良いほう」などと、遠慮したり、我慢したりする子どもも。大人たちは生活再建に忙しく、子どもたちは誰かに話を聞いてもらいたくても相手がいない状況が続きました。感じていることをありのまま素直に話せる存在が必要とされていました。

活動内容

学校でのキャリア教育支援


震災直後、学校では職場訪問や体育大会など様々な学校行事・キャリア教育プログラムの中止が検討されていました。カタリバはそれぞれの運営、企画に関わり、震災によってそういった機会が奪われないように支援を行いました。
現在では、スタッフが学校運営協議会に参画。地域の方や企業、大学などを巻き込みながら、職業体験や総合的な学習の時間のコーディネートを務めるなど、様々な人と連携した教育を実現するための学校支援を続けています。

放課後・夜間に寄り添う学習会と心のケア


放課後の空き教室を利用し、中学生向けの「放課後学習会」を町内すべての中学校で開催しています。自習の見守りや学習のアドバイスを通して、県内の大学生を中心としたボランティアスタッフが生徒たちの心に寄り添っています。
また、仮設住宅団地の交流スペースでは、震災の影響で学習環境を失った子どもたちのために、週に4回の「夜間学習会」を開いています。ここでは中学生から高校生の子どもたちが取り組みたい勉強を持ち寄り、集中して勉強に取り組んでいます。 2017年からは町内最大の仮設住宅団地に加え、 中心部の仮設住宅団地にも取り組みが広がりました。

特別プログラムの提供

被災した大川小学校(宮城県石巻市)の校舎を見学し、当時を知る方から話を伺う高校生たち

震災の経験を、未来の力に。そんな想いから、放課後や休日、夏休み等の長期休暇期間を利用した特別プログラムを中高生に提供しています。不定期開催のお茶会や食事会では、高校生が普段の悩みを共有したり相談したりしています。時には町を飛び出し、隣町での勉強合宿や、同じく震災を経験した東北の中高生との交流、東京で働く企業人と出会うスタディツアーなど、多様な人との出会いを通して、新しいものに触れ、考える機会を創出しています。

活動の成果

多様なプログラムに多数の子どもたちが参加

活動開始から2年、ましき夢創塾では500回以上の放課後学習会・夜間学習会を開催し、のべ利用人数は4,000名を超えました。また単なる学習支援にとどまらず、様々なキャリア教育プログラムや特別プログラムを実施し、子どもたちが人と出会い、様々な価値観に触れる機会を作っています。

学習会の開催状況(〜2017年8月)

キャリア教育プログラム/特別プログラムの開催実績

連携

学校・地域・企業との連携


中学校で開催する「放課後学習会」や、仮設住宅団地での「夜間学習会」には、これまで200名以上のボランティアにご参加いただきました。その多くは地元の大学生でした。
また、職業体験や面接練習、総合的な学習の時間などのキャリア教育プログラムを中学校の先生方と共同運営しています。職場体験受け入れ先の手配や、ゲストスピーカー・講師等のコーディネートを通して、地域の方々が学校と連携するきっかけづくりを行っています。

※「コラボスクール」・「collabo school」は 認定NPO法人カタリバの登録商標です(登録5758301)・(登録5758303)

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