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認定NPO法人カタリバ (認定特定非営利活動法人カタリバ)

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活動紹介 / Activity

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対話で地域を繋ぎ、まちの未来をつくる

益田市社会教育プロジェクト

Concept

圧倒的な人口減少による、地方の過疎化。そして、予測不能な未来を生きなければならない子どもたち。だからこそ、持続可能なまちづくりと、子どもたちの「生き抜く力」の涵養(かんよう)を両軸で進めていく。そんな強い意志を持って、プロジェクトに取り組んでいるのが、島根県益田市です。多様な大人と子どもたちが出会い、地域をフィールドに活動をする「ライフキャリア教育」プロジェクトを、カタリバと連携して進めています。カタリバ職員をコーディネーターとして配置して、現地でカタリ場プログラムを軸に対話で地域を繋ぎ、まちの未来をつくる活動に取り組んでいます。

活動概要

  • クライアント

  • 所在地

    〒698-0033 島根県益田市元町11番26号

  • TEL

    0856-31-0622

  • 活動期間

    2016 年10月〜

  • 活動内容

    市内小・中・高生と地域の大人が語り合う、カタリ場プログラムの企画・研修・運営/小・中・高校生が地域で活動をする支援

活動の背景

「過疎発祥」のまち / 失われつつある人との繋がり

島根県益田市は、日本海側に面した山陰地方にある人口約4万7,000人の地方都市です。(平成31年4月現在) そんな益田市が直面しているのは、人口減少による各地区の存続危機。実は、益田市は「過疎」という言葉発祥の地と呼ばれており、日本でも先駆けて高齢化社会に突入しました。そして、人口減少に拍車を掛けているのが、若者の都市への人口流出。現在、9割近くの若者が高校卒業時に益田市外に転出しており、その後のUターンも4割に留まっている現状です(注1)。さらに、人との繋がりが希薄化しつつある時代。益田市でも、中高生の4割が気軽の話をすることができる地域の大人が0人と答えており、また半数以上の中高生が益田市には魅力的な大人が多いとは思わないと答えています(注2)。益田の魅力をどう子どもたちに伝えていくかが、行政の大きな課題となっています。

(注1: 出典 平成27年 益田市総合戦略) / (注2: 出展 2018年度 益田版カタリ場 報告書)

島根県益田市 × NPOカタリバ 「ライフキャリア教育」で、人との繋がりを再構築する

 「人との繋がりの中で生きていける」豊かさなど、多様な幸福感を子どもたちに育んで欲しいという願いを込めて、益田市が提案しているのが「ライフキャリア教育」。幸せは「どれだけ都会か」といった物質的な豊かさだけでは測れません。狙いの1つは、これまでの仕事観に偏重した「ワークキャリア教育」から脱却です。「将来、何になりたいか」から、「どう生きるか」へ。仕事観に加えて、趣味や地域での活動や理想のライフスタイルも包含したキャリア教育が、ライフキャリア教育です。

ライフキャリア教育を推進する、コーディネーターを配置

そんな 「ライフキャリア教育」を推進するための1つの仕掛けが、益田市とNPOカタリバの連携。平成28年度からカタリバの職員を「ライフキャリア教育コーディネーター」として、益田市に配置しています。「カタリ場」のノウハウを活用して、子どもたちと地域の大人が、本音で語り合う場を提供したり、共に地域で活動をする支援を行なっています。人との繋がりが希薄化している時代だからこそ、意図的に出会いの場を作り、地域の中での「ナナメの関係」を拡げていく。

大学生を中心とした若者が高校に出張し、圧倒的な非日常空間で熱量を届けることから始まった「カタリ場プログラム」が、益田市の取り組みでは、地域の大人と小中高の子どもが対話し合う機会として変化。続いていく地域住民同士の関係性を繋ぎ直すことで、まちの未来づくりに寄与するモデルに発展しています。

活動内容

地域の大人が対話の機会を届ける、中学校カタリ場

益田市では主に3つのパターンで年間30以上のカタリ場プログラムを実施しています。

1つ目は、地域の大人が中学生に対話の機会を届ける、中学校カタリ場です。公民館と連携して地域の大人を集め、コーディネーターが研修を行います。研修を受けた地域の大人が中学校に出張し、先輩として自分の経験を語り、対話を通じて中学生の自己理解を促していく。このプログラムによって、中学生の成長はもちろん、地域に家族以外の大人の知り合いがいなかった中学生と、これまで地域行事に参加してこなかった20代・30代の地域住民が繋がり、公民館とも繋がり、その後の地域づくりに関わる新たなコミュニティづくりにもなっています。

地域で働く大人と語る、高校カタリ場

2つ目は、地域で働く大人が高校生と語る、高校カタリ場です。半分以上が高校卒業後に就職をする益田市では、高校時点で大人がどんな価値観でどんな仕事をしてどのように生きているのか、生き方のロールモデルとの出会いが必要です。コーディネーターが地元企業への協力を呼びかけ、業務の一環とし参加する若手社員に研修を行い、カタリ場プログラムを高校生に届けています。

思春期を終えた高校生から、これから思春期の小学生へ

3つ目は、地域の高校生が少し年上の先輩としてロールモデルとなる小学校カタリ場です。これまでカタリ場を受けてきた高校生が、ライフキャリア教育の集大成として最後語り手となります。コーディネーターがサポートしながら、高校卒業前の3年生が小学5-6年生に自分について本気で語る場を届けることで、高校生も小学生も、ともに成長する機会となっています。2017年は市内の中学15校の内、10校で実施しました。

カタリ場をきっかけに繋がった地域を舞台に、子どもたちの活動機会をつくる

地域の大人と子どもが語り合うことで生まれた繋がりを、一過性のものにせず、地域で子どもたちが活動できる舞台づくりに繋がるように。カタリ場をきっかけにうまれた地域コミュニティをいかし、コーディネーターは多世代の想いを交差させながら、地域づくりや行事について熟議をする場のファシリテーションも行います。想いのこもった地域行事が子どもたちの活躍舞台となり、関係性が深まるほどに住民も地域の子どもや教育への関心が高まって、学校が地域に開かれていく。そんな好循環に繋がっています。

活動の成果

地域全体で取り組むカタリ場プログラムが、子どもたちの自己肯定感と地域愛を育む

カタリ場プログラムを体験した子どもたちの自己肯定感が高まるとともに、対話を届けた地域の大人の想いにふれることでこのまちにかっこいい大人がいることを知り、そんな大人がいるこのまちは魅力的だ、と感じるようになるという、地域愛を育む機会にもなっています。

カタリ場プログラムを1つのきっかけとして、地域全体で子どもたちを育むまちづくりに繋がっています。

カタリ場実施前後のアンケート結果

 

連携

各地区の公民館との連携

NPOカタリバ職員が担うコーディネーターは、カタリ場プログラムの研修や住民が熟議する場のファシリテーション、子どもたちに必要な学びの機会を企画することはできますが、地域の人を集めることには限界があります。地域の人とのリレーションを持っている公民館と連携して人を集め、公民館を中心にコミュニティ形成を行うことで、プログラム以降も残る持続的な地域コミュニティを創っています。

地元企業との連携

地域で働く大人が高校生と語る高校カタリ場では、地元企業の協力が重要です。子どもたちを育むことが地域の未来をつくることだ、ということに共感いただくことはもちろん、若手社員の研修機会になること、多くの高校生が卒業後は就職する益田市において一つのリクルーティング機会にもなることから、業務の一環として社員に参加していただいています。

Photo Gallery

    活動の様子を動画で