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【西日本豪雨】子ども支援ニーズ調査報告①被災地の子どもたちの今 ~岡山県倉敷市真備町より

レポート子ども支援

西日本に大きな被害をたらした豪雨から約1週間が経ちました。
被害に遭われた皆さまには、心よりお見舞い申し上げます。

未だに正確な被害の規模はわかっておらず、緊急支援フェーズと言える状況ではありますが、だからこそ、子どもたちや教育支援の状況についても、不明な部分が多くあります。
そこで、認定NPO法人カタリバは、2018年7月15日・16日の2日間、現地の子どもたちの状況や教育ニーズを把握するため、岡山県倉敷市真備町を訪問し、井原市のチーム夢源さん、矢掛町のYKGさんと共同で調査を行いました。

現地で見た子どもたちの様子をカタリバ職員の吉田愛美がリポートします。

被災地を射す強い日差し。私たちがお邪魔したのは、「晴れの国」岡山で最も大きな被害を受けた真備町です。「岡山はもともと災害が少ない場所。だからこそ今回の災害の対応は慣れない部分が多くある」。現地の方々が口を揃えます。

移動の途中、真備町内の様子が目に入ってきました。車の窓を開けると、砂ぼこりと鼻をつくにおいに包まれます。水は引いているものの、泥まみれの家財が天高く積み上げられ、2階の窓の向こう側には遠く空が見えました。

真備町は、中心部を走る川が複数の箇所にわたって決壊。北部にある避難所に多くの人が身を寄せています。発災当初、避難所が人で溢れたこともあり、現在は町外の避難所で過ごしている方もいるとのこと。

避難所の状況は刻一刻と変わっているといいます。場所によってそのニーズもバラバラ。ある避難所では物が不足し、すぐ近くの他の避難所ではものは十分に行き届いている。避難所と同じく、避難者のニーズもバラバラです。

今回の豪雨被害では、岡山県内でも局地的な被害が出ました。中でも真備町は町の広い範囲で被害を受けた場所ですが、道路を挟んで被害の有無がわかれたという地区もあるそうです。お互いのおかれた状況が多様であることもあって、無事だった近くの親戚の家に身を寄せているというケースも多く見られました。

そんな真備町で今、子どもたちはどう過ごしているのでしょうか。

6つある小学校のうち3つ、中学校は2校とも浸水等の被害を受け、無事だった3つの小学校も避難所が開設されていることから、現在は全ての小中学校で臨時休業となっています。

避難所の中に入ると、床に敷き詰められた毛布の上に見える多くはお年寄りの方、そして数名の子どもたちでした。比較的小さな子どもの姿は見えません。

この日その避難所では未就学児~小学生向けの居場所支援が行われており、避難所にいた子の大半は小学生~高校生の子どもたちでした。それも、毛布の数に対して、多くはありません。大人たち、そして中高生も、自宅の片付けなどで昼間は避難所にいないという方がほとんどなのです。

ぬるい空気が流れる避難所には、テレビから流れる演歌が響き渡っています。そこにいた子どもたちは、友達数人と身を寄せながら床に寝転び、スマートフォンやタブレット機器をただただぼーっと画面を眺めています。様子を聞くために私たちが声をかけてみると、子どもたちはゲームに興じていた手を止めて、話を聞かせてくれました。

(※許可を撮って撮影させていただいています)
中学3年生の男の子は、友だちと2人で一日中ネットゲームに勤しんでいます。

「7時に起きて、寝るのは24時。コインランドリーに行くけれど、それ以外は食べるかゲームするか動画を見ている」。
「テニス部だったけれど、最後の引退試合の練習ができないのが一番残念」。

2人はインタビューが終わると、またネットゲームの世界へと戻っていきました。

「みんなも連れてきていい?」そう言って、仲間2人を連れてきた小学生3年生の男の子は、この「非常事態」を半ば楽しんでいる様子。
子どもたちの話を聞いていると、お母様もお話を聞かせてくれました。

「キャンプみたいな感じでね、楽しいみたいですよ。大人は不安でたまりませんけれども・・・」。

子どもたちがゲーム漬けにならないように、一日1時間と決めてコントロールしているといいます。
「隣の家族がおばあちゃんのことを大声でよく怒っていて。それをうちの子どもに見せるのが、ちょっとね・・・」。

被災状況が町内においても多様であることから、子どもたちのいる場所はバラバラ。
しかもその状況が日々変わっていることから、学校の先生さえも、子どもたちの場所や状況を把握できていません。
今、子どもたちはどうしているのか。自身も避難所の対応に追われる先生方の不安は募ります。

子どもたちはこれから夏休み。
バラバラになった子どもたちは、どんな夏休みを過ごすのでしょうか。

臨時休業となった真備町の学校の多くは、今もなお再開の目途が立っていません。

※7月15日時点の情報です。現地の状況は日々変化しています。

(カタリバ職員:吉田愛美)

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実態調査を経て、カタリバは現地での活動をスタートしました。

東日本大震災や熊本地震の経験を土台に、現地の状況に合わせた形を模索し、1人でも多くの子どもたちのために、できることから取り組んでいきます。

皆さまのご支援をよろしくお願いします。

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▼そのほかのレポート

>>【西日本豪雨】避難所の子どもたち レポート2 https://www.katariba.or.jp/news/2018/07/18/11623/

>>【西日本豪雨】避難所の子どもたち レポート3 https://www.katariba.or.jp/news/2018/07/18/11637/