「夏休みになり給食がなくなると、食費が余計にかかってしまう」楽しいはずの夏休み。暑さと空腹を我慢する子どもたちがいます。

「私はお腹がすかないから、お弁当はいりません」
そう話したのは、中学2年生のまさみさん(仮名)。
学校の課外活動で1日400円のお弁当代を集金していた時のことでした。
まさみさんは3人きょうだいの長女です。
幼い頃に両親が離婚し、母親がダブルワークで家計を支えています。
経済的に余裕がない中、連日の猛暑や仕事の疲れから、母親が家事をこなせない日もありました。

そんな日には、まさみさんが弟妹の食事を用意することもあったそうです。
彼女は自分の家庭の状況をよく理解しており、
「親に無理は言えない」
「自分が我慢すれば何とかなる」
そんな思いを抱え込み、自分の気持ちを後回しにしてきました。

「夏休みは給食がないから、余計に食費がかかってしまう…」
弟妹の世話をしながら、まさみさんが自分の朝食として食べたのは、
ソーセージ1本だけだった日もあるといいます。
そんな彼女の姿を心配した担任の先生は、まさみさんが通う放課後教室に連絡をとりました。
認定NPO法人カタリバが運営する「第三の居場所」

この放課後教室は、経済的な困難などを抱える家庭の子どもたちが、無料で通える施設です。
少し歳上のスタッフや事情の近い子どもたちとともに、
手作りのあたたかいご飯を提供したり、クーラーの効いた部屋で授業や夏休みの宿題のサポート等の学習支援を行っています。
まさみさんは、担任の先生のすすめもあり、1年前からこの教室に通っています。
カタリバのスタッフは、先生からの電話を受けたとき、ある出来事を思い出しました。
「英検の二次面接、自転車で2時間かけて行ってきたよ!」
そう誇らしげに語ってくれたまさみさん。
それは交通費を節約するための選択でした。
その言葉には、「頼りたくない」「自分の力でなんとかしたい」という強い意志が込められていました。
「相談してくれるまで待つ」という姿勢
カタリバでは、子どもたちの「自立したい」という気持ちも大切にしています。
スタッフは、すぐに手を差し伸べるのではなく、「いつでも頼っていいんだよ」という安心感を伝えながら、生徒自身が声をあげるのを待つこともあります。
お弁当代の話を聞いた日、スタッフはまさみさんに、
お米や缶詰、レトルトのカレーを紙袋に詰めて「これよかったら家に持って帰って」とそっと手渡しました。
「みんなで作って、みんなで食べる」

カタリバの放課後教室では、平日の夕食に加えて、夏休みや休日には昼食と夕食も提供しています。
調理や片付けも一緒に行い、「あなたがいることでみんなの場ができている」と伝えることを大切にしています。
まさみさんも、夕食作りを手伝った日には、他の子どもたちと笑顔で食卓を囲んでいました。
子どもが「子どもらしく」いられる場所を
子どもたちの家庭にはそれぞれに事情があります。
家計が厳しく、冷房がつけられない。
給食のない夏休みには、1日1食しか食べられない子もいます。
家庭や学校では、親やきょうだいを一番に気遣ってがんばっている子もいます。
でも放課後教室にきたら、「おなかがすいた」と気兼ねなく言って、
お腹いっぱい栄養のあるあたたかい食事をとり、安心して勉強できるように、子どもたちの居場所を守っていきます。
▼ ご寄付のお申込み:8月31日まで
https://www.katariba.or.jp/spirit/index_s1.html
一日33円~ご寄付で、子どもたちに食事と未来を

家が遠い、家族のケアを行っているなど、
放課後教室に通うことが難しい子どもたちに食事を届ける取り組みも始めました。
1日33円~のご寄付で、温かい手作りのご飯と、安心して過ごせる居場所を、子どもたちに届けることができます。
たとえば月1000円のご寄付で、手作りの食事を3食分提供することができます。
日本中の子どもたちが、生まれ育った環境や境遇によって、夢をあきらめてしまうことが決してないように。
あなたのご寄付で子どもたちの成長を支えてください。
▼ご寄付のお申込み:8月31日まで
https://www.katariba.or.jp/spirit/index_s1.html