CLOSE

認定NPO法人カタリバ (認定特定非営利活動法人カタリバ)

〒164-0001 東京都中野区中野5丁目15番2号

お問い合わせ

※「KATARIBA」は 認定NPO法人カタリバの登録商標です(登録5293617)

Copyright © KATARIBA All Rights Reserved.

KATARIBA マガジン

社会貢献活動でつながりの強い組織へ。フィランソロピーで活性化する、部署や役職の垣根を越えた社内コミュニケーション
株式会社インフォマート

vol.426Interview

date

category #インタビュー #支援法人

writer 編集部

ご支援いただいている法人さまのインタビュー

NPOカタリバのご支援をしていただいている法人さまから、ご支援のきっかけ・内容・今後の展望などをお伺いする「ご支援法人さまのインタビュー」。今回は、株式会社インフォマートの小杉さま(ホリゾンタルCS部 社会貢献担当)、坂田さま(経営管理部 ESG戦略推進担当)、泉さま(バーティカルマーケティング部)、根岸さま(経営管理部)にご寄付の背景や取り組みへの思いについて伺いました。

※お名前は、写真の左より順にご紹介しています。

■目次
社員投票で選び、共感の声から始まったカタリバ支援
活動名の変更や社内での認知拡大など、寄付参加の輪を広げるための工夫に取り組む
社員のエンゲージメントにも表れた変化
現場を知る体験が、社員の意識とつながりを変えていく
今後の取り組みと、カタリバへの期待

社員投票で選び、共感の声から始まったカタリバ支援

カタリバ:
御社の社会貢献活動は、社員の方の声をきっかけに始まったと伺っています。
どのような背景があったのか、教えていただけますか。

坂田さま:
もともとは、ある執行役員が「社員発信で社会貢献活動をやってみよう」と声をあげて、そうした活動に興味関心のあるメンバーに声をかけたことが始まりでした。
5名ほどの有志で準備室を立ち上げ、部署や役職に関係なく、制度づくりから進めていきました。

小杉さま:
私たちは本業の中で、ペーパーレス化や業務効率化といった手法で社会課題の解決に取り組んできましたが、それに加えて、寄付やボランティアといった直接的な社会貢献活動でも、会社として社会に対してもっと良いことができるのではないか、という問題意識がありました。

立ち上げ時期はちょうど2020年のコロナ禍で、直接社会貢献の現場へ行って支援活動に参加することは難しい状況だったので、「有志でお金を集めて寄付をする形であれば活動ができるのではないか」という案が出たんです。そこで、社員から集まった寄付額と同額を会社が拠出して、合計金額を寄付する、マッチングギフト制度を会社へ提案し、制度化しました。

カタリバ:
この寄付制度を「つないで結ぶ基金」と名付けられたそうですが、どのような想いが込められているのでしょうか。

小杉さま:
基金の名称は、社員から公募して決定しました。いくつか候補が挙がった中から、「つないで結ぶ基金」が選ばれたのですが、実はこの「つないで結ぶ」という言葉は、インフォマートの会社ビジョンにも使われている表現なんです。

本業では、BtoBプラットフォームで企業と企業を、ビジネスパーソン同士をつないで結んでいますが、この寄付活動では、支援を必要とする方々と、支援したい社員、そして会社をつないで結ぶことで、わたしたちを取り巻く社会がより良いものになることに少しでも寄与できればと考えています。とてもインフォマートらしい名称だと感じています。

カタリバ:
寄付をする団体はどのように決められたのでしょうか。

小杉さま:
寄付先については、社員アンケートや公募を通じて候補を募集しました。営利団体ではないことなど、最低限のガイドラインは設けましたが、基本的には社員から幅広く推薦を募り、合計で31団体が候補に挙がりました。そこから社員投票によって最終的に6団体を選びました。
カタリバさんを推薦した社員の推薦文が残っているので紹介しますね。

「大学生の時に講演を聞き、感動したことを覚えてます。日本の絶対的貧困は少ないけれど、相対的貧困は7人に1人※と言われています。私自身、相対的貧困の家庭で育ち、機会格差を経験してきたので、未来ある子どもを応援したいです。カタリバさんは、どんな環境に育っても未来はつくり出せると信じられる社会を目指し、2001年に設立された教育NPOです。」

※カタリバ補足)2020年時点。2022年の厚生労働省 「国民生活基礎調査」では9人に1人(11.5%)となっています。


坂田さま:
最終的に6団体を決める際、支援領域が偏らないように、「災害救助支援」「子ども青少年育成」「保健・医療・福祉」の3カテゴリーを設定し、それぞれ2団体ずつ選ぶことにしました。このカテゴリーについても、「どんなテーマが良いか」という社員アンケートをとり、その結果で決めました。

マッチングギフト制度を活用した寄付活動「つないで結ぶ基金」を立ち上げ、随時参加者を募っている

活動名の変更や社内での認知拡大など、寄付参加の輪を広げるための工夫に取り組む

カタリバ:
寄付先の選定には社員の皆さまの意見が反映されているのですね。カタリバを選んでいただいて本当に嬉しいです。
会社として活動を続けていく中で、順調なこともあれば、課題に直面することもあるのではないかと思いますが、いかがですか。

坂田さま:
そうですね。一番大きな課題は、なかなか社内に認知が浸透せず、この活動に参加する社員の輪が広がらなかったことですね。

この課題については様々な取り組みをしていて、カタリバさんにも以前、社員向けの説明会を開催していただきました。他の寄付先団体にもご協力をいただいて、団体の活動の説明、支援による成果や声を直接知ることができるよう工夫をしました。また、定期的に届くメールマガジンを社員に共有するなどして、社員の参加を呼びかけていく試行錯誤の結果、少しずつではあるけれど、活動の輪が広がってきていると感じます。

また、有志が集まって活動するこのチームの名前も変更しました。当初は「インフォマートフィランソロピー協議会」という名前だったのですが、何をやっているか伝わりづらいという課題がありました。また、社会貢献活動や寄付に対して馴染みがなく、参加するハードルが高い印象を持つ社員も少なくなかったので、もっと身近に、そして楽しいイメージを持ってもらうために、「社会貢献エンジョイくらぶ」というチーム名に変更しました。

そのほかの工夫としては、社員証のストラップの取り組みですね。この活動の社内認知の拡大と、寄付に参加する社員への感謝の気持ちを表すために、寄付をしている社員だけが付けられるストラップを制作しました。これが、想像以上に好反応でした。社員同士の会話が生まれるきっかけになったと感じています。

カタリバ:
ストラップの内側の色が、基本はグリーンですが、オレンジになっていると「つないで結ぶ基金」に参加しているという証なのですね。
さりげないけれど目につきやすいところで、本当に素敵なアイデアだなと感動しました。

小杉さま:
社内ではチャットツールや社内ポータルなど、オンラインで情報を発信できる場所もたくさんありますが、日々さまざまな情報が投稿される中で、そこで発信してもどうしても埋もれてしまうという実感がありました。
このストラップを導入したことで、チャットでもメールでもない手段で、社会貢献活動の印を見つけてもらうことができるようになりました。また、このオレンジ色を目にしたところから社員同士の何気ない会話が始まり、寄付活動に留まらない社内コミュニケーション上でも、とても効果がありました。

寄付に参加している社員のストラップは内側がオレンジ色。
「つないで結ぶ基金」の文字も入っている。

社員のエンゲージメントにも表れた変化

カタリバ:
社内の認知拡大の施策に取り組まれてから、そのほかにも社内での反応や変化はありましたか。

坂田さま:
社内の認知度という点では、効果はあったと感じています。
ここ1年ほどは、新入社員の配属前研修やキャリア採用の入社時研修の中でも、必ず私たちの社会貢献活動について説明する時間を設けています。

各部署の説明の一つとして紹介することで、「インフォマートはこうした活動も大切にしている会社なんだ」と、入社時点で知ってもらえるようになりました。

カタリバ:
社内外に対し、社会貢献やESGの取り組みを重視しているという企業メッセージとしても、受け止められている感覚はありますか。

坂田さま:
新卒・キャリア採用者に限らず、関心を持ってくれる社員は増えていると感じます。ここ2、3年で、受け止め方はかなり変わりましたね。
外部への発信はまだ十分とは言えませんが、まずは社内で理解してもらうことが大切だと考えています。

カタリバ:
活動を継続される中で、社員の方の意識やエンゲージメントへの影響はいかがでしょうか。

坂田さま:
エンゲージメントサーベイを毎年実施しているのですが、昨年の結果では90%以上の社員が「会社は社会貢献活動に取り組んでいる」と認識していることがわかりました。

社会貢献エンジョイくらぶをはじめ、さまざまな形で地道に続けてきた取り組みが社内に広がり、社員への意識付けに一定貢献できていることがわかりました。
もちろん、弊社の事業そのものが社会課題の解決につながるビジネスであることも影響しているとは思いますが、それも含めて、活動が浸透してきている実感があります。

カタリバ:
積み重ねてきた取り組みの成果が、数字としても表れているのは嬉しいですね。

坂田さま:
一方で、現在この活動を推進しているメンバーは部署や役職の垣根を越えて5名ほどで、リソースが十分とは言えないのも正直なところです。
月に1回集まって活動を続けていますが、今後に向けては新しいメンバーも募集し、体制を少しずつ強化していきたいと考えています。

現場を知る体験が、社員の意識とつながりを変えていく

カタリバ:
今後の社会貢献活動について、どのようなことを考えていらっしゃいますか。

坂田さま:
もっと人と人がつながる取り組みにしていきたいというのがひとつの目標です。
寄付活動を続ける中で、もう一歩踏み込んで、団体の皆さまと一緒にできることはないかを模索し始めたのが昨年です。

その中で、寄付先のひとつである一般社団法人日本障がい者サッカー連盟(JIFF)さまから、JIFFインクルーシブ教育プログラムへのボランティア参加のお声がけをいただき、社員のボランティア参加が初めて実現しました。

カタリバ:
実際に支援活動を体験すると、感じ方も変わってきますよね。ちなみに、参加された方々は休日やプライベートの時間を使ってボランティア活動をされたのでしょうか。

坂田さま:
いえ、業務時間内で参加したい社員を募り、上長の承認を得たうえで実施しました。

小学生向けのプログラムに参加し、障がい者サッカーの選手の方や子どもたちと交流しながら、活動の現場を体験するという内容でした。人数は5名ほどでしたが、参加した社員は活動での感想を熱く語っていて、「部に持ち帰って、みんなに共有する!」と言っていたのが印象的でした。

また、参加者同士で、部署を越えたコミュニケーションが生まれた点も良かったと思っています。

カタリバ:
普段の業務では関わらない人同士で交流が生まれるのは、実は業務にも良い影響が出たりしますよね。とても大事なことだと思います。
今後、「もっとこういうことをやっていきたい」と考えていらっしゃることはありますか。

坂田さま:
自分たちの寄付がどのように使われ、どんな活動につながっているのかを、まだ十分に社内に伝えきれていない点は、我々の課題として捉えています。
各寄付先において、「いくらの寄付で、何が実現されているのか」という価値を、よりわかりやすく共有していきたいと考えています。

小杉さま:
社員に「支援している実感をもってもらう」というのは、今年の大きなテーマです。
寄付という行為に加えて、寄付実感やそこから生まれた想いの対話を重ねることで、そこにふれた社員がまた社内に広げていく、そんな循環をつくっていけたらと思っています。

今後の取り組みと、カタリバへの期待

カタリバ:
最後に、今後の協働への期待や、社会貢献を通じて目指していきたいことについてお聞かせください。

小杉さま:
繰り返しになりますが、一番大切にしたいのは社内に「知ってもらうこと」「自分ごととして捉えてもらうこと」だと思っています。

必ずしも「この活動に寄付してください」という話ではなくて、プライベートでボランティアをしている人や、別の団体や他の方法で寄付をしている人がいても、それは良いことです。

ただ、カタリバさんをはじめ、団体の皆さんがどんな活動をしていて、現場で何が起きているのかを知ることで、何かを感じて行動する社員が一人でも増えていく。そんな組織風土をつくっていきたいですね。

根岸さま:
3つのカテゴリーで支援を行うという点はそのままで、寄付先の数は当初の6団体から9団体に増えています。

「つないで結ぶ基金」では、社員が「どのカテゴリーに、いくら寄付するか」を設定する仕組みを採っています。
3つのカテゴリーすべてに寄付する場合や、特定のカテゴリーに寄付する場合、またカテゴリーごとに金額を調整するなど、いくつかの選択肢があり、社員それぞれの考えに応じた形で参加できるようになっています。

その中でも「子ども青少年育成」分野への寄付が最も多く、社員の関心が特に高い領域だと感じています。
相対的貧困や国内の子どもを取り巻く課題に対して、「支援が必要だ」と感じている社員が多いのだと思います。

2026年は、そうした背景も踏まえて、社内の情報発信をより強化していくことが課題ですね。

坂田さま:
当社はBtoBのプラットフォーム事業を通じて、人と人、企業と企業を「つないで結ぶ」ことをビジョンに掲げています。
社会貢献活動においても、社会課題に向き合う団体の皆さまと直接は関われなくても、この社会課題を「自分ごと」として捉えようとする社員同士をつないで結んでいく役割を大切にしたいと考えています。

今後も、勉強会などを通じて、そうしたつながりを深めていけたら嬉しいです。

カタリバ:
ありがとうございます。ぜひ一緒に取り組んでいけたら嬉しいです。

(ここで、前述のストラップの発案者である泉さまが、業務の合間を縫って駆けつけてくださいました)

カタリバ:
お忙しい中ありがとうございます。
ストラップの開発について、泉さまからもぜひお話を伺えますか。

泉さま:
認知拡大のために何ができるかを考える中で出たアイデアでした。コンセプトとして大切にしたのは、主張しすぎないこと。文字で「社会貢献しています」と前面に出すのではなく、さりげなく身につけられるデザインを意識しました。

デザインは坂田さんが考案したので、制作のほとんどを社内で完結させたのも特徴です。
企業のコーポレートカラーを使いつつ、寄付の印としてオレンジ色を取り入れています。

年々、このストラップを身につける社員が少しずつ増えていて、社内で見かけると「それ何ですか?」と会話が生まれることも多く、活動が広がっていることを実感します。

社会貢献を特別なものにするのではなく、日常の中で自然に伝わっていく。そんな広がり方を大切にしていきたいと考えています。

カタリバ:
まさに主張しすぎない絶妙な存在感で、素晴らしいアイデアだと思います。

編集後記

インタビュー後も、立ち上げ当初からの想いや苦労話などを伺い、泉さま、坂田さまをはじめ本業の傍ら5名で始まった活動が、試行錯誤を重ねながら進化し続けていらっしゃること、その背景にある皆さまの熱量に、圧倒されました。

そして、私たちカタリバを単なる支援先ではなく、等身大で一緒に考え取り組んでいける、パートナーとして信頼してくださっていること。

その想いを大切に、これからも共に歩んでいきたいです。

関連記事

寄付文化が生み出す社員と企業の成長サイクル 株式会社セールスフォース・ジャパン

カタリバへのご支援について、法人・団体さま向けにより詳細な方法や事例を資料にてご紹介しています。

資料請求をする

Writer

編集部 編集部

KATARIBAMagazine編集部が担当した記事です。

このライターが書いた記事をもっと読む