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デジタル庁が発足。不登校の子どもの学びに新しい当たり前を[代表のつぶやき]

vol.216Voice

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category #代表のつぶやき

writer 今村 久美

ここのところ、経済的に苦労されているご家庭のお子さんで、学校に行かない・行けないケースの支援策を検討するため、保護者のお話を聞かせてただいています。NPOカタリバが優先して支援する不登校家庭は、非課税世帯を含む経済的に困っているご家庭が多いです。

そのなかで感じるのは、「経済的に困窮するようなご家庭だから、お子さんが不登校になった」のではなくて、特に一人親で誰にも頼れない場合「子どもと必死で向き合う時間を親が確保するために、経済的に困窮した」ケースがあまりに多いということ。

「お子さんが不登校になり、必死に学校に同行したり、行政の相談機関が開いている時間に支援策を相談したり、子どもと向き合う時間を確保したりしているうちに、結果的にフルタイムで働いていた会社を辞めざるを得なくなって、学校近くの店舗型のお店のパートを転々としている」とか、「子どもが学校の文化やルールにうまく合わせられないことも一因で、PTAの中で母親も孤立。さらに一人親で必死に働いているからPTA活動に参加できないことでさらに居場所がなくなり、問題親扱いされて学校と関係性が悪化し、家族の孤立がすすんでいる」など・・・。

そもそもこの変化が激しい社会において、学校の当たり前に子どもが合わせなければいけないわけじゃないことは当然分かっていますし、「不登校自体が問題ではない」という助言も分かります。しかし、私立やフリースクールを選択するお金を稼ぐためにも、親が仕事をする時間を捻出できないと、子どもの学びが止まってしまうのです。

学校に頼れなくても、制度としてのコミュニティスクールになっている学校の場合(なってない場合はPTAでも)、それが学校のサブシステムとして機能して困っている親子を支えられればいいのですが、当事者家族に対するラベリングがあったり、また実際にご本人が心を閉ざしていたり、隠しがちだったりすることもあるので、なかなか周りが手を差し伸べづらい状況も生まれています。

9月1日にデジタル庁が発足しました。

どんな環境で生きる子どもたちも、どんな特性を持った子どもたちも、家庭の持つリソースによらず、様々な選択肢に巡り合える、そんな状態にしていきたいと思います。

教育DX(デジタルトランスフォーメーション)により、徹底的に個別最適な学び支援ができるはずです。不登校の学び支援は、デジタル庁教育セクションの一丁目一番地に据えてほしい。

<不登校を減らす>のではなく、<不登校になっても、安心して別の学び方の選択肢を選べる>へ。
「そんなの令和からの当たり前だ」と、言い切れる世の中にしていきたいと思います。

Writer

今村 久美 代表理事

79年生まれ。岐阜県出身。慶應義塾大学卒。NPOカタリバ代表理事。ここではゆるくつぶやいていきます。

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