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いじめによる自殺と、GIGAスクール構想を結び付けている記事に思うこと[代表のつぶやき]

vol.218Voice

date

category #代表のつぶやき

writer 今村 久美

【告発スクープ】小6女子をいじめ自殺に追い込んだ「一人一台端末」の恐怖 パスワードは全員「123456789」 #プレジデントオンライン

この記事の見出しと、冒頭解説”子供たちに「一人一台端末」を配る国の「GIGAスクール構想」の被害者が出た。”という書き出しは、誤読を誘発する煽り記事だと思います。
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いじめは、情報端末があるから起きるのではありません。もともとあったいじめが、端末も利用されて行われたと理解すべきです。

ご遺族の本心も理解しきれていない部分もありますが、悲しみの中でこの会見をなさったことで伝えたかったのは、今後さらに利用が促進される1人1台端末が子どもたちの悲しみの助長になるような利用がされないことを願った呼び掛けであり、教育現場における教育端末の利用普及を制止されようということではないと私は受け取りました。

本来1人1台端末は、教師と子どもたちの新しいコミュニケーションチャネルにもなりうるものであり、例えば病気で学校にいけなかったり、不登校になっていたり、これまでの教育からは取りこぼしてきた苦しい想いをしている子どもたちにも居場所を与えたり、人との関係性や学びにつなぎなおすことができる可能性を持っています。

今回、いじめに使われてしまったというGoogle chatも、適切な利用をすることで、生徒が先生に、学校の代表電話に電話をしなくても、相談ができる可能性もあります。ただそれは、日常的な信頼関係が前提であり、端末は日常のコミュニケーションの補助ツールでしかありません。

一連の報道によって、学校の学びを変える情報端末利用を億劫に思っている教育現場の方々にとって、変わらなくてもいい理由を与えるものにならないことを願います。

亡くなられたお子さんのご冥福と、想像を絶するご遺族の悲しみが少しでも癒える日が来ることを心からお祈りします。

Writer

今村 久美 代表理事

79年生まれ。岐阜県出身。慶應義塾大学卒。NPOカタリバ代表理事。ここではゆるくつぶやいていきます。

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