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能登にコミュニティハウスを。「みんなで」希望の明かりを灯す[代表のつぶやき]

vol.370Voice

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category #代表のつぶやき

writer 今村 久美

能登半島地震から1年以上が過ぎ、現地は猛スピードで公費解体が進んでいます。「すべてが遅い」そんな声も多く聞こえていたわけですが、実際に何もなくなっていく風景に、ここにあった人の気配や物音も一緒に、静かに消えていくような寂しさがこみ上げます。

一方、「ずっとここに住んでいるけど、地震の前はこんなにこの地域の人とつながってなかった。今のほうがずっと楽しい。」輪島で塗装屋さんをする私の同世代の方が言っていました。

また、被災地支援でここに関わるようになった人が『能登の人』になって生活をはじめているような、そんな人たちもいます。珠洲の大谷地区では、GWは移住者の方の提案で、長く続いてきた鯉のぼりイベントを復活させました。

毎月1週間、能登を訪れているという福岡の男性は「会いたい人たちがいる。新しい発見がある。ここは自分のサードブレイスなんだ」と言っていました。私もそんな感覚です。(羽田空港と能登空港は55分くらいで移動できるので、とても便利です)

この地にずっといた人。この地に縁がなかった人。多様な形で、新たな地縁ができつつある、そんなふうにも見えます。

ただ暮らしているでもなくて、ただ訪れるでもない、「関わる」という新しい関係性が、復旧の先にある風景をつくっているのかもしれません。

***

さて、カタリバは能登半島への関わりを、しばらく続けさせてもらいたいとおもっています。地域を出るのも自由、ここにいるのも自由です。ただ、ここにいると決めた家族で育つ子どもたちが、この能登の魅力に気づけるように、地域の人たちと一緒に「みんなで関わる」を軸にした取り組みを続けます。

***

ということで・・カタリバはREADYFORさんとコンソーシアムを組み、能登で被災された地域のコミュニティの拠点づくりを応援する事業をはじめます。(休眠預金活用事業です)

この事業では、地域の人と外から来る人「みんなでつくる」ことを大切にしています。建物の設計は建築の専門家が担いますが、そのプロの指導のもとで、住民や能登を訪れる支援者の方々も、実際の建設や場づくりに関わっていただける仕組みです。

現在、建築費は異常に高騰しており、立地の問題もあって、能登で建物を建てようと思っても、予算や期間を考えると諦めざるを得ないという声も聞こえます。

そんな今だからこそ、みんなでつくる。拠点が完成するまでの過程そのものが、関わる人たちの交流や学びの場となり、「楽しんで関わる」仲間が増えていくことが、新しい地縁の広がりにもつながっていく――そんな未来を私たちは思い描いています。

ピンときた方、ぜひとも説明会にご参加ください。
【オンライン公募説明会】
日時:2025年5月14日(水) 10:00~11:15
【オフライン申請相談会】
日時:2025年5月21日(水)、5月22日(木)

詳細や申請方法については、以下のリンクをご覧ください。

 

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Writer

今村 久美 代表理事

79年生まれ。岐阜県出身。慶應義塾大学卒。NPOカタリバ代表理事。ここではゆるくつぶやいていきます。

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