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奨学金獲得に大きなハードルがある高校生のために[代表のつぶやき]

vol.404Voice

【頼れる人がいない、そんな高校生世代を応援する奨学金をつくりました】

「奨学金をもらって進学すればいい。」

こどもたちの進路選択について、そう思う人も多いと思います。これに対し、奨学金返済時の利息が高いという点が、昨今注目されましたが、もう一つ、とても大きなそして見えずらいハードルがあります。

それは、『奨学金獲得のためのサポート環境自体に、大きな格差があるということ』

例えば、進学のための奨学金に応募しようと思った時、募集要項を取り寄せて、完全に一人で書類準備をして出すことは、普通のことでしょうか。多くは、親や誰かに相談をしながら一緒に必要資料を準備しませんか。

奨学金申請は、募集団体ごとに条件も資料も違い、それを準備すること自体もとても大変です。この、準備サポート環境があるかないか、ここに大きなハードルがあります。

しかし、そんなハンデを抱えた子どもたちにこそ、社会がサポートをし、前向きに学ぶ機会を届けることで、自立に向かえるのではと思うのです。

そこでカタリバでは、ちょっと変わった選考基準を設けて【Dream It Real 奨学金】という新しい制度をつくりました。

経済的・家庭的に“頼れる人がまわりにいない”中で、進学を夢見る高校生世代を応援します。

◇ポイント
・事前の申請サポート相談会を行います(実施終了。随時メール相談は受け付けます)。
・現状の成績は選考に影響しません。
・自立への意欲と、困難に立ち向かう強さを評価します。
・家族や環境に頼れない状況にある子どもたちを最優先で応援します。

◇例えば・・優先要件の例
・片親家庭で育つ
・経済的・家庭的理由で学業継続が困難な状況
・家族で初めて大学進学を目指すファーストジェネレーション
・社会的養護(施設・里親など)経験者、または親と暮らせない事情がある方
・親・きょうだいなどのサポートを家庭内で多く担っていて、自分の学びを我慢してきた方
・日本学生支援機構(JASSO)の奨学金対象外の在留資格を持つ方
・外国ルーツの生徒は家族滞在ビザの子も対象(「家族滞在」だと、利用できない奨学金が多々ある)
・入試進学過程で引越しや居住地変更が多い方 

◇成績を加味しないというチャレンジ
ここは本当に悩みました。この奨学金を得て、しっかり学び続けられる子なのかどうか。
就職するという選択肢もある中で、進学すればいいというわけでもない。しかし、その子が学びたいことがあるのであれば、その子が学び続けられるように、家族の代わりに応援する方法を考えたい。

他の仕組みと比較すると・・
・JASSO第一種 → 評定平均3.5以上が必要
・大学独自奨学金 → 入試成績や在学中の成績が条件が多い
・民間財団奨学金 → 学力+リーダーシップ重視が多い
・Dream It Real 奨学金 → 成績不問。環境ハンデと意欲を重視

ということで、この仕組みが本当にうまくいくのかは、数年たってみないとわかりません。しかしせっかくの機会です。どんな環境に生まれた高校生でも、学びたいことを学び、つくりたい未来を目指していけるようサポートしていきます。

▼事業の詳細はこちら
https://katariba.notion.site/dream-it-real-2025
※この事業は、COACH Foundationとカタリバのパートナーシップにより発足した事業です

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Writer

今村 久美 代表理事

79年生まれ。岐阜県出身。慶應義塾大学卒。NPOカタリバ代表理事。ここではゆるくつぶやいていきます。

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