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KATARIBA マガジン

「ユーザーの声を聞き、共に広げる子ども支援の輪」
三井住友カード株式会社

vol.347Interview

date

category #インタビュー #支援法人

writer 編集部

ご支援いただいている法人様のインタビュー

NPOカタリバのご支援をしていただいている法人様から、ご支援のきっかけ・内容・今後の展望などをお伺いする「ご支援法人様のインタビュー」。
三井住友カード株式会社の高橋様、玉臺(タマダイ)様に、ご寄付の背景や今後の展望についてうかがいました。

タッチハッピーとカタリバのマイプロジェクト

「タッチハッピー」は、三井住友カード株式会社による、Visaのタッチ決済数に応じてさまざまな社会課題に取り組む団体へ寄付を行うプロジェクトです。2020年2月の開始以降、社会課題解決に取り組む複数のパートナー団体へ、38,162,870円の支援が行われています(2024年10月末現在)。

カタリバはこれまでにも2021年、2023年の2回寄付をいただいています。そして、第13回となる今回は、支援先としてカタリバが運営する「全国高校生マイプロジェクト(以下、マイプロ)」事業が選ばれました。

(「マイプロ」とは高校生の「マイ(My)」を起点とした社会へのアクションを指し、高校生自身が「実現したいこと/変えたいこと」を描き、その達成を目指して行動を起こし、振り返りによって意欲を深めます。NPOカタリバは、「マイプロジェクト」に取り組む高校生を支援する事業を展開しています。)

第13回のタッチハッピーについて

タッチハッピーイメージ画像

カード会員の声を反映し、第13回の支援先をカタリバに

カタリバ:
はじめに、御社は様々な社会貢献活動をされていらっしゃいますが、どのような社会貢献活動を行われているのかその背景と共に教えてください。

高橋さま:
弊社は、“金融事業を営む者として、お客さまをはじめとするステークホルダーと対話し共に行動することにより、社会をより良いものへ変革することに貢献していく”ことが役割だと思っています。

その中でも、「環境」「DE&I・人権」「貧困・格差」「少子高齢化」「日本の再成長」を重点課題とし、その解決への貢献を通じてサステナビリティの実現を目指しています。
この重点課題を解決していくため、キャッシュレス決済を通じた社会貢献、環境負荷低減につながる商品・サービスの普及拡大、次世代への金融経済教育など幅広い取り組みを行っています。

カタリバ:
社会貢献活動の1つに、今回のカタリバとの取り組みでもあるタッチハッピーというプロジェクトがありますよね。
このプロジェクトが始まった背景を教えていただけますか。

高橋さま:
タッチハッピーは、キャッシュレスが、「社会課題解決の一助となることが当たり前になる世の中」を目指して始まったプロジェクトです。

キャッシュレスと社会貢献は、直接的なつながりはないように見えますが、実は日常というキーワードでつながっていると私たちは考えています。

いまやキャッシュレス決済は、ほとんどの方が当たり前のように利用していると思います。それこそスマホ一つでお財布を持たずに買い物に行く、なんて方も多いのではないでしょうか。そんな私も、エコバックとスマホだけ持って近くのスーパーに買い物に行っています。

では、社会課題への取り組みはどうでしょうか。こちらも決して特別なことではなく、本来は身近にある問題(日常的に気になっていること)を解決しようというきっかけから始まるものですよね。

「キャッシュレス決済」と「社会貢献」は、どちらも“日常のこと”という共通点がある。この2つをつなげるのが「タッチハッピー」なのです。キャッシュレス決済は日常的なものですし、社会貢献も同じくらいに日常的なものにできればと思います。

カタリバ:
社会貢献は特別な行為ではなく、私たちが日常で使っているタッチ決済のように何気ない行為で、生活の一部のようなものだと捉えていらっしゃるのは、NPOとしてとてもうれしいです。

2020年に開始されてからこれまで、タッチハッピーの寄付先に様々な団体を選ばれています。
今回カタリバを指定していただくのは、2021年、2023年の企画に続き3回目です。2021年の初回、支援先のひとつとしてカタリバを選んでいただいたきっかけは何だったのでしょうか。

高橋さま:
当社ではプロジェクト開始の半年ほど前から、どの分野の問題解決に取り組んでいくのかを検討をしています。

2020年は新型コロナウイルス感染症が猛威をふるい、当たり前の生活ができなくなった時期でした。学校や職場が休校になり、行楽・行事など、すべてが中止になりましたよね。コロナ禍になり子どもたちが学校へ行けなくなることによって、子どもたちの学習面での不安や、外出できないことにより人とのかかわりが希薄になるなど様々な課題が顕在化していました。

こんなときだからこそ、子どもに関する活動を行う団体への支援も行うべきだという話が社内であがりカタリバさんへの支援を決めました。

カタリバ:
そういった経緯があったのですね。

タッチハッピーではこれまで、食の支援、貧困・格差・海洋ごみなどの問題に取り組む団体に対して支援を行ってきたと思いますが、第13回となる今回は、寄付先としてカタリバのマイプロをご指定いただきました。私たちとしては大変嬉しく思っておりますが、この方針決定にはどういった背景があったのでしょうか。

高橋さま:
昨年、タッチハッピーにご参加いただいた一般の方々に対し、「どういう団体に寄付をしたいか」というアンケートを実施しました。その結果、「子どもの支援をしている団体に寄付をしたい」という意見が多かったんです。

そういったお声を受けて、第13回目の支援は“子どもに対する支援”に注力をしようという方針になりました。そして、一緒に取り組んでいく団体を考えた際に、カタリバさんのマイプロが候補として挙がったんです。

カタリバ:
なるほど。実際の会員様のご意見を反映した結果だったのですね。

ひとりの親としても「子どもたちに未来を切り拓く力を育む」マイプロジェクトへ共感

カタリバ:
マイプロをご支援先として選んだ理由を教えてください。

高橋さま:
本プロジェクトを運営しているチームには、小学生以上の子どもがいるメンバーが数名います。子どもの年齢が上がっていく中で、いろんな悩みを相談できる人や場に出会ってくれたらいいなと思っていらっしゃる保護者の方は多いのではないでしょうか 。

マイプロは、子どもたちが主体的にプロジェクトを立ち上げて実行する社会へのアクションプログラムと聞いています。
このプログラムに参加して、子どもたちが社会に出たときに、何かに迷っても自分で道を切り拓く力や、一生懸命頑張るための力を身につけてもらいたい、というコンセプトには共感できるものがありました。

実際に全国高校生マイプロジェクトアワード2023に参加した当社のメンバーは、高校生の熱量をダイレクトに感じることができたと言っています。

そこで、マイプロに参加するより多くの子どもたちの未来の力になれたらと思い、第13回タッチハッピーの支援先として選定させていただきました。

カタリバ:
お子様をもつ親としての視点がきっかけだったのですね。

高橋さま:
はい。タッチハッピーは、“未来”や未来を生きる“子ども”への支援を中心に、お客様と一緒に身近な社会課題解決の支援を続けています。マイプロを通じ、日本中の高校生が未来を生き抜く力を身につけるための活動を応援していきたいですね。

2024年3月に開催されたマイプロの様子_1 2024年3月に開催されたマイプロの様子_22024年3月に開催されたマイプロの様子

カタリバ:
タッチハッピーが始まって5年目に入られていますが、プロジェクトの成果としてはどのように感じていらっしゃいますか。

高橋さま:
おかげさまで期初に設定したVisaのタッチ決済数は目標数を大きく上回る結果となりました。Visaのタッチ決済数を増やしながら社会貢献につなげていこうという最初の目的は達成できていると考えています。
今後はカード会員向けにリアル参加の機会を作っていくなどの新たなアプローチ方法でたくさんの方に知ってもらう機会を設けていくことがこのプロジェクトの重要な取り組みになると思っています。

タッチハッピーは、キャッシュレスが、社会課題解決の一助となることが当たり前になる世の中」を目指して始まったプロジェクトです。キャッシュレス決済は日常的なものですし、社会貢献も同じくらいに日常的なものなんだよ、ということをこれからもお伝えしていきたいと考えています。

カタリバ:
なるほど。たしかに私も、もう当たり前の決済手段として無意識にタッチ決済を使っていますね。

マイプロのご支援を通じたカタリバとの協働に関してはいかがでしょうか。

高橋さま:
まだ第13回のタッチハッピーは実施期間の途中なので、最終的な成果については見えきっていないところはあります。

先日、2024年9月末までのタッチ決済数が目標達成したのでカタリバさんをお招きして寄付金贈呈式を行いました(タッチハッピー13回のホームページで掲載中)。まずはこの贈呈式の様子をたくさんの方に見ていただきたいです。そして、本プロジェクトに共感した方が、社会貢献を意識してVisaのタッチ決済を使っていただけるといいなと考えています。 

それから、冬以降に「全国高校生マイプロジェクトアワード2024」が開催されると聞いています。ぜひそちらに参加して高校生が考える「実現したいこと」を聞かせていただきたいと思っています。実現するための手段の一つに当社が持っているサービスを提供できたらいいですよね。

 

2024年3月に開催されたマイプロの様子_3

2024年3月に開催されたマイプロの様子

 

「子どもたちに気づきを提供できたら」
社員のマイプロジェクト参加に込めた想い

カタリバ:
タッチ決済の件数も、目標の3億タッチに対し8月31日時点で2億タッチを超え、順調にタッチ件数も伸びていらっしゃいますよね。社会に対して御社の寄付活動の認識も広まり、会員様を巻き込んだ寄付活動の事例として非常に成功されていると拝見しております。

一方で、他の企業様ですと、寄付活動の背景の1つとして、社員の方のエンゲージメントを重視しているケースも多くあります。以前、御社でもそういった社内での認識の広がりをもっと強化していきたいというお話があったと思うのですが、カタリバとの協働の中で、社内での認識が広がったなと思うことはありましたか。

 

高橋さま:
私たちのような企画担当者と各団体さんとの繋がりは強くなっており、納得感や共感が生まれていると感じるのですが、一方で、今おっしゃったように、他の社員にまでそれが広まっているかというと、そこはまだ発展途上であると考えています。

もちろん社内的な広報活動はしていますが、それに対して社員全員が自分ごとのように共感しているという実感はそこまで強くありません。

勤めている会社が社会にとってよい取り組みをしているのに、それを社員に知ってもらえていないというのはもったいないですよね。それは私たちが頑張って広めていくべきだと思うので、今後も、社内への広報という点も踏まえて取り組みを進めていきたいなと思います。

 

カタリバ:
今後、カタリバに期待することがあればぜひ教えてください。

高橋さま:
マイプロジェクトで主体的にプロジェクトを考案し実行していくように、何かをやり遂げることって、その途中経過が辛い部分でもあると思います。でも、その辛いときに頑張ったことが、のちに楽しかった思い出として残ると思うんです。

子どもたちが頼れる人との出会いのきっかけを作り、自分で道を切り拓く力を育むサポートをするなど、カタリバさんがされている取り組みは子どもたちに未来を届けるとても大事なことだと思います。これからも頑張っていただきたいと感じています。

当社は金融事業を運営している側面から金融教育も行っているので、そういう部分で高校生の助けになれたらなと思っています。今後、当社の得意分野で関わる機会をぜひ作っていただけると嬉しいですね。

悩める高校生がいればぜひ声をかけてあげたいです。「三井住友カードの人に色々聞いて、こんないいことがあったよ」とか、「こういうこともできるんだ」といった気づきにつなげられると嬉しいですね。カタリバさんの今後の活動を期待しています。

カタリバ:
ありがとうございます。ぜひ今後ともよろしくお願いします。

 

高橋さま:
最後に、せっかくなので高校生に一番年齢が近い、入社1年目の玉臺さんからもぜひ一言。

カタリバ:
ぜひお願いします!

玉臺さま:
僕たちの世代は高校や大学の教育の中で、社会的貢献活動は当然するべきことであるということや、SDGsや環境についての話を重要なテーマとして教えられてきました。

これからは、僕たちのような若い世代が関心をしっかりと持ち、そういった活動をより広めていったり、先導していったりする必要があると感じました。

三井住友カード玉臺さま

 

カタリバ:
ありがとうございます。まさにこれからの社会を担っていかれる若い世代からの想いですね!
ぜひ我々の世代とは違う視点でご意見やアドバイスをいただけたらと思っておりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

 

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編集部 編集部

KATARIBAMagazine編集部が担当した記事です。

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