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同じ地域に住む人だからこそ、相談できない[代表のつぶやき]

vol.185Voice

カタリバが応援している親子の声を掲載していただきました。
https://digital.asahi.com/articles/DA3S14850603.html

このご家庭は、経済的な支援が必要な親子に対してカタリバが提供しているプログラム、「キッカケプログラム(オンラインソーシャルワーク+教育支援)」のユーザーで、小豆島にお住まいの方です。

地方から参加される方から多く寄せられるのは、「同じ地域にいる人だからこそ相談できない」「家族の事情を地域の人に悟られたくない」という声。
本当は、なんらか困難さを背負った人たちこそ、地域に声をかけあえる人との関係性を築けた方がいいのですが、歴代の家族構成まで知られているほど、関係性がありすぎたり、持ち家で引っ越すこともできないからこそ、スティグマ(ネガティブなレッテル)を恐れます。
(民生委員さんに気づかれると、親としての自分の足らなさを叱られる気がして怖いから、気づかれないようにしていると言う声もあって、ショック。)

このインタビューに答えてくれた親子は、お母さんがお一人で子育てをされていますが、病気を抱え、お子さんの発達特性に寄り添う余裕がもてなかった。お子さんは学校にうまくなじめず、いつしか不登校気味になっていたそうです。この1年間、オンラインで親子に伴走をおこなっていく中で、このお子さんは本当に元気になりましたし、私達からするとむしろ伸ばすべき才能があるギフテッド傾向のお子さんだと感じています。オンラインでも、家族ではない誰かと定期的に会えること、楽しく話せることは、効果があると手応えを感じます。

ただ、このお母さんはお子さんの状況を打開したいと、藁をもすがる思いで必死なので成り立ちますが、万能ではありません。ネグレクト家庭の場合は、家庭への訪問などリアルなアウトリーチから始めないと難しいです。オンラインとリアルの効果的な関係性を検証し、出来るだけ多くの家庭に支援ができるように、行政と連携していくことも目指しています。

「キッカケプログラム」では今、4月6日まで新規の募集をしているのですが、悲痛な声とともにすでに枠に対して5倍以上の申込みをいただいています。
*「キッカケプログラム」について詳しくはこちら→ https://manatsuna.net/

PCとWi-Fiを貸与するだけではなく、全国からオンラインで参画するペアレントメンターとキッズメンターを、丁寧に育成しながら親子の伴走支援を行うため、まだまだキャパが足りていません。安全に支援するオペレーション力とリソースが足りないのが現状で、現状受け入れられると判断しているのが350人まで。現場スタッフが必死に開発をがんばっていますが・・お断りするのは本当に心苦しく、なんとかせねばと思うばかりです。

Writer

今村 久美 代表理事

79年生まれ。岐阜県出身。慶應義塾大学卒。NPOカタリバ代表理事。ここではゆるくつぶやいていきます。

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