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不登校児童生徒への学習機会と支援の在り方について要望したい2つのこと[代表のつぶやき]

vol.251Voice

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category #代表のつぶやき

writer 今村 久美

小・中・高あわせて “不登校” 約24万人(学校に行っても教室に入れないなどの “不登校傾向” は4年前以降どこもカウントしていないので、それを入れるとさらに増えます)の2022年現在、文部科学省から各都道府県に「今後の不登校児童生徒への学習機会と支援の在り方について」という通知が出されました。

オンラインやフリースクール等との積極連携など、踏み込んだ通知になっていると思います。現場がこれに全て取り組めば、不登校の子どもも家庭も、かなり救われると思いました。ただ、ここまでいうならば、さらに要望したいことは下記2点です。

1)現場の努力に任せず、リソースを渡し、都道府県教委の責務として不登校政策を履行すべき。

内容はいいけれど、たぶん多くの学校は動けません。それは、通知だけでは動けない現場の事情があるんだと思います。理由は明確で、現場にリソースが渡されないまま、努力で何とかしろとしか言っていないから。

こうした方針がどこまで履行されているか、【都道府県教委の責務としてモニタリング】し、【手が打てていない、リソースがない小規模自治体は都道府県の責務として取り組む】ことを明記すべきだと思います。そして、やっぱり国は福祉財源の中から不登校支援予算を確保して、現場に渡すべきです。

2)教育支援センターの基本業務として【家庭アウトリーチ】を明記すべき。

相談にもたどり着けていない人が3割と明記されています。不登校は、親の子育ての失敗とか、子どもの特性の問題にされがちです。同居している祖父母や、また夫からも「お前の育て方が悪いからこうなった」と責められるというお母さんの話をよく聞きます。

主として養育をしている(主に母親)が、自分を責め、子どもだけに時間を使う必要があると判断し仕事を辞めざるを得ないなど、社会との接点を絶ち、孤立しやすいのも特徴です。コミュニケーションを母子だけに閉じることは、双方にとって良いことはひとつもありません。

カタリバは島根県雲南市で行政の不登校政策である教育支援センターを受託し運営していますが、居場所の運営と並行して、定期的に市内22校の不登校の子ども一覧を見て、誰とも接点がない家庭を特定し、アウトリーチ(家庭訪問)を行います。

保護者の話を聞き、あなたは1人じゃないと伝え、ある時は母親の友達のように夕食にお邪魔したり、ある時はこどもの部屋のふすまの向こう側からオンラインゲームを一緒にやるなどしながら、なんとか子どもを外の世界に誘い出します。

こうした地道な取り組みは「雲南市はそこまでやっててすごいね」で済ませることなく、教育支援センターの基本業務として全国どこでも行うべきであるため、教育支援センターの基本業務として【家庭アウトリーチ】を明記すべきだと思います。

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Writer

今村 久美 代表理事

79年生まれ。岐阜県出身。慶應義塾大学卒。NPOカタリバ代表理事。ここではゆるくつぶやいていきます。

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