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参加者136名!1日がかりのオンライン全社会議2020を開催しました

vol.150Report

date

category #活動レポート

writer 青柳 望美

今年の全社会議テーマは
「教育イノベーション」

カタリバは年に一度、全国で働くメンバー全員が一堂に集まる全社会議を開催しています。全社会議は、組織のVISION・MISSIONについて全員で議論したり、自分たちの仕事をUpdateするためにゲストからインプットをもらったり、自分自身を見つめ直す対話の時間を過ごしたり・・子どもたちのために全力疾走する日常から少しだけ距離を置いて、自分や未来について考える時間。そして普段は会えない、全国各地で働く仲間たちに会える機会でもあります。

今年も、5月17日(日)〜18日(月)に東京で全社会議を行うことが決まっていました。しかし、新型コロナウイルス感染症が拡大。延期の選択肢も検討しましたが、いつになったらできるのは全くの不透明な状況でした。また教育に関わる私たちは、一斉休校以来、猛烈なスピードで現場のあり方を変えたり、新しい取り組みやサービスを立ち上げてきました。バックオフィスのスタッフも急な在宅勤務への移行に対応し、慣れない環境も工夫と前向きなマインドで乗り切ってきていました。そんなタイミングで私たちが語り合わない、全社会議を中止にする選択も考えられません・・

「コロナ禍だからこそ、この経験を語り合い、未来を考え、イノベーションに繋げたい」。新しい教育のあり方を語り合う機会にしようと、1日かけてオンラインで全社会議を開催することが決まりました。

また、せっかく場所の制約がないことから、初めて職員以外の方々も参加者として全社会議にお招きすることに。教員や文科省や自治体の教育委員会の方など、志を同じくする仲間にも、「それぞれの現場感から感じるリアル」について語ってもらい、一緒に未来を考えようと、入っていただくことになりました。

こうして、全国各地から教育に関わる様々な立場の仲間136名が集まり、「Zoom・Zoomウェビナー・YouTubeLIVE配信・GoogleMeets・LINE WORKS・Googleスプレッドシート」という6つのツールをフル活用したオンライン全社会議2020を、5月17日(日)9:00〜19:30に開催することになりました。

スプレッドシートでタイムラインと会場URLを明記し共有しつつ、LINE WORKSのスレッドで随時連絡事項は案内する運営スタイル

オンライン全社会議2020
オープニングがスタート

2020年5月17日(日)9:00、Zoomに集い、全社会議がスタート!まずは今日のグランドルールの確認と、ブレイクアウトルームに分かれてチェックインをすることから始めました。

オンライン全社会議2020のグランドルール
1.基本的にビデオ(カメラ)はONにして参加しよう
2.チャットの発信や(拍手は「8888888888」)、体を使ってリアクションをしよう
3.質問やディスカッション時は年次や年齢などに関わらず、遠慮せずに前のめりで発言しよう
4.困っている人やURL迷子になっている人がいたら、みんなで助けあおう
5.学びの受益者にならずに、この1日で、主体的に日常に学びを持ち帰ろう
6.オンライン参加は疲れ方に個人差あり!疲れやすい人は、休憩時はOFFにしてしっかり休もう

今自分が感じていることについて少人数で対話した後は、これまでのカタリバを振り返るMOVIEを視聴しました。2001年に創業し、東日本大震災の支援を経て、活動が全国に広がったカタリバ。2019年度もそれぞれの現場で思い描いていた目標がありました。それに向かって走り続ける日々。そして起こった、新型コロナウイルス感染症の拡大。その日のうちに全社一丸となって現場のあり方を変えながら、子どもたちに居場所と学びを届け続けようとしてきた日々をMOVIEで振り返りました。

1年間の振り返りmovie、一部抜粋

MOVIEを観た後は、代表の今村久美から、約2ヶ月間必死で奮闘してきた全職員に向けての労いと、これからも続いていくこの状況を一緒に頑張っていこうというメッセージがありました。そして、今回の全社会議を今村とともに進行してくれる特別ゲスト「若新雄純さん(慶應義塾大学 特任准教授や鯖江市役所JK課プロデューサー等)」をご紹介。若新さんは、毎年マイプロジェクトアワードの審査員や企画のアドバイスも行ってくれています。この日は1日中、学びを深める問いの投げかけや、意味づけをしてくれる進行役として参加してくれました。

刺激を山ほどもらった
インスパイアセッション

Zoomウェビナーに移動し始まったのは、「インスパイアセッション」。各方面の第一線で活躍するプロフェッショナルな方々をゲストとしてお迎えしたトークセッションを2部構成で行いました。

1部は「子どもたちにいま起きていること、変わろうとする学びのあり方から、自分たちのあり方を探す」インスパイアセッション。登壇いただいたのは、経済産業省の浅野大介さん、岩手県教育委員会(文部科学省)の中川覚敬さん、教員である諸戸彩乃さん。また若新さんと今村も登壇し、カタリバ職員の菅野がモデレーターを務めました。今まさに教育現場で実際に起こっていることや、文科省の想い、経産省が進める未来の教室で本当に実現しようとしてたこと、個別最適化の重要性と難しさ・・・

たくさんの気づきをもらえる時間となり、セッション終了後はZoomに戻ってブレイクアウトセッションで参加者同士が対話を通じて学びを深めたり、画面をOFFにし1人で学びを整理するなどして過ごしました。

インスパイアセッション1の登壇者の皆さん

2部は「他業種に生み出されるイノベーションから自分たちのあり方を探す」インスパイアセッション。登壇いただいたのは、株式会社マザーハウス代表取締役副社長の山崎大祐さん、株式会社ポケマル代表取締役CEOの高橋博之さん、株式会社COMPASSファウンダーの神野元基さんです。また1部同様、若新さんと今村も登壇し、カタリバ職員の菅野がモデレーターを務めました。

この状況をどんなチャンスに変えていこうとしているのか、変化を前提とした経営、本当に大事にすべきこと・やるべきことをしてきた組織がこれからは残る時代になっていくなど・・それぞれが経営者という立場だからこそ語っていただけることを話していただきました。また「カタリバがいま取り組んでいることは、なぜコロナ前にはできなかったのか?」という強烈な問いもいただき、普段はなかなか得ることができない視野が広がるインプットをいただく時間になりました。

インスパイアセッション2の登壇者の皆さん

セッション終了後のブレイクアウトルームでは、消化しきれないほどの学びを、語り合い発散することで盛り上がる参加者の姿が印象的でした。

ランチタイムと
レクリエーション

体温が上がるほどに、多くの観点でインプットと刺激をもらったインスパイアセッション。休憩となるランチタイムは、参加者それぞれのペースで過ごしました。全てOFFして休憩する人、レクリエーションイベントに参加して遊ぶ人、消化しきれなかった学びをアウトプットすることで整理しようとする人・・

「ちょっと声をかけて雑談する」という交流ができないのがオンラインではできないことですが、「自分に合った過ごし方を選びやすい」というのがオンラインのいいところ。

ちなみに今回は4つのレクリエーション企画を用意しました。
・筋肉体操ガーナブートキャンプ
・くみちょのワードウルフ
・マックスリョウのイントロドン!
・よねワングランプリ!おもしろバーチャル背景バトル

職員が各企画のオーナーとしてZoomを開けて、お昼ごはんを食べながらゆるゆると遊んだり、汗をかくほど体を動かしたり・・レクリエーションに参加して、束の間の遊びの時間を楽しんだ人もいました。

筋肉体操にはわざわざジャージに着替えて参加するツワモノも!汗だくになったそうです

組織について、事業について、
自分について対話する午後

ランチ休憩後は、グループディスカッションで、テーマは「私たちはなにを変えるのか」。組分けされたスプレッドシート元に、5〜7人1グループに分かれて、指定のGoogleMeetsURLに移動しました。インスパイアセッションでのインプットも参考に、「教育、学校、子どもたちの日常をこれからどう変えるのか? その時カタリバがはたしていく役割、つくりたい未来とは何か?」という大きな問いに対してグループごとにディスカッションを行いました。ディスカッションの内容は全員が閲覧できるスプレッドシートにグループごとに記述し、他のグループではどんな議論がされたのかを可視化しました。

そして次は、いよいよ最後のディスカッションの時間。「自分について」対話するか、「各事業について」対話するか、どちらがいいか?ということを、LINE WORKS上のでアンケートを実施。即座に結果が分かるので、8割以上という過半数の投票で「自分に引き戻して対話する」時間が選ばれました。

「自分に引き戻して対話する」グループダイアログのテーマは「私はなにを変えるのか?」。3〜4人1組の少人数で自分について考え語り合いました。自分の担当事業をこうしていきたいと語る人や、実はという悩みを吐露する人、少数のオンラインだからこそ語りやすい部分もありました。

そして最後に今日1日を振り返るチェックアウトを行い、懇親会へ・・アルコールを片手に深夜まで語り合いは続きました。

この規模、この長さでも
オンラインでできると体感

100名以上で1日中行うオンラインイベント。「リアルよりオンラインがいい」は難しくても、「オンラインもかなりいい」という状態を目指した初の全社会議でしたが、感想アンケートでは、「むしろオンラインがいい」という人も、「オンラインのよさも体感したから今後はハイブリッドでやりたい」という意見も多い結果となりました。

感想アンケートではハイブリッド型希望を合わせると、オンライン開催とリアル開催希望数は同数に!

●参加者の感想アンケートより

・今ホットな話題について議論ができ、経産省、文科省のTOPレベルから現場の先生レベルまでが入り乱れてディスカッションしたうえで、個人レベルで腹落ちさせる機会もあった。コンパクトで濃密だった。

・二つのディスカッションを通して、コロナ禍が炙り出している課題と可能性が見えてきた。その中で、カタリバの存在意義も確認できたように思う。「実験」ということは、道なき道の先頭にいるということ。

・インスパイアセッションの内容が、2つとも課題感に対して問いや観点をいただける内容だったし、オンライン全社会議自体が新しい体験だった。(懇親会まで含めて)

・自分の中で目標としていた、①日本の教育の未来についての解像度を上げる、②カタリバってどんな団体ですか?に対する新たな答えを得るの二つを達成することができた。また、未来を想像した上で自分がどのような価値を生徒さんに届けて生きたいのかという具体的なアクションまで見えた。

・リアル全社会議には、家庭の都合により永らく参加しておらず、オンラインになったことで、久しぶりの参加が出来た。

・トークセッションが豪華でした。様々な示唆に富んでいて今の社会での出来事や教育が持つ役割と使命を感じる機会につながりました。一方で、自分たちの日常の変化に落とし込むには時間が足りず、自分自身の力不足を感じることになりました。

・自分の現在地と未来に立っている場所について考えることができた。また、カタリバを体現するためにどんな大人でありたいかを考えることができたのが刺激的だった。

・オンラインならではの無駄な時間がない、凝縮したプログラムでした。インプットとリフレーミングの時間が確保されてて消化できました。

集合写真はカタリバのカは「ちから」とも読める!ということで全員で力こぶポーズを(事前にカタリバ専用バーチャル背景を配布しましたが利用率は低め・・そして若新さんは違うポーズなのでぜひ探してみてください!なお筆者はキャプチャ撮影係のためポーズはできずでした…)

今回初めてオンラインで全社会議を開催し、オンラインだからこそ多彩なゲストに登壇いただけたり、移動が難しくて参加できない人がいなくなったり、会場キャパシティの制限もなく組織を越えて多様な立場の人にも参加してもらえたり、お子さんの面倒をみながら参加してもらえたり、リアルタイムでチャットで意見交換することでむしろ学びが深まったり。たくさんのポジティブな側面がありました。

おもえば、カタリバというのは密な場作りと対話によって、子どもたちの心を動かし、スタッフ同士の信頼関係を築いてきた団体です。全社会議もその象徴で、毎年車座になって夜通し語り合ってきました。

それができなくなった今、オンラインを活用するからこそできる新しい全社会議を、コロナが収まってからも検討し、全社会議という機能自体を進化させていきたい。そう感じる機会になりました。

Writer

青柳 望美 編集長

1983年生まれ。群馬県前橋市出身。大学時代は英語ができないバックパッカー。人材系企業数社で営業・営業企画・Webマーケティング・Webデザインを担当。非営利セクターで働いてみたいと考え2014年4月にカタリバに転職。全国高校生マイプロジェクトの全国展開・雲南市プロジェクト・アダチベースなどの立上げを担当。現在は新規プロジェクトの企画や団体のブランディングなどを担当。カタリバmagazine編集長。

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