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少人数学級の実現に向けて考えたい3つのポイント[代表のつぶやき]

vol.172Voice

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category #代表のつぶやき

writer 今村 久美

今年9月から行われている、教育再生実行会議 初等中等教育ワーキング・グループに参加させていただいています。今回のワーキング・グループにおけるメインテーマは、【少人数学級の実現(小学校の学級規模を35人から30人にする)】です。

11月中旬に、公立小中学校の少人数学級導入について、新型コロナウイルス対策やきめ細かな教育を実現するためとして「30人学級を目指すべきだと考えている」という旨が、文部科学大臣の発言にありました。またその後、法改正に対する意向も表明しています。

先の大臣の発言に対しては、国際的に見ても大きい日本の学級規模を、平時から小さくするのが目的なのだろうと感じています。

実は、学級規模はすでに地域・学校ごとにばらつきがあります。小3-小6で36人以上の学級は13%、中学校では26%。これらの学級は首都圏や都市部の学校にあることが多いため、学級編成基準を下げることをコロナ対策で語るならば、都市部の学校の三密対策には有効な手立てといえるのでしょうが、地方の学校でとなると疑問です。

一方で、学力向上に学級規模縮小は効果が薄いという識者の声も聞くものの、教員による子どもたち一人一人への探究型学習伴走や、個々が抱える福祉的課題に手厚く伴走する体制(特に小学校において)に対しては、少しでも学級規模が小さいことは効果的なのではないかと考えています。個人的には、就学援助利用率が高い地域などは、30人と言わず、20人以下にしてもいい地域もあるのではないかとすら思うほどです。

そこで私は、学級編成基準を下げる目的を、「福祉的支援や探究的な学びへの伴走のために、学級規模縮小をさらに価値あるものにするため」と置き直し、同時に以下の3つを検討できないかと考えています。

1,校長のマネジメント力の改善
組織、カリキュラム両面で、「その学校にどんなリソースが必要なのか」と経営企画できなければ、ただ人と仕事が増え続けます。例えば、研究主任、教務主任など施行規則に明記されているポジションの配置が、目的化していないでしょうか。校長のマネジメントを通して、様々な効果的な見直しをかけ、スクラップアンドビルドすることが必要です。そんな経営企画力を学校で育成するのは難しいのであれば、兼業の経営企画人材を採用できるようなシステムを検討したいと考えています。

2,多様な専門家の増員
教員採用倍率は急激に下がっており、既存の教職免許制度のままでは人員追加が難しい現状は見えています。一方で、教員が何人増えても、その情熱ゆえ、やることは増え続けて仕事が減らないという話も聞きます。この実状に対しては、「チームで仕事をすること」で効果が見込めるのではないかと、私は考えています。例えばCIO人材・福祉職・スクールロイヤー・放課後の学習支援員など。多様な人材に対して活用できる予算として、弾力性を持った予算増額を検討していきたいです。

3,教員免許制度の見直し
小学校の教員採用倍率は、この20年で13倍から3倍に下がりました。1倍に近い地域もあります。教員免許制度を、様々な経験を持つ大人が、子どもの学びに関する内容を学修すれば教壇に立つことができる「オープンなシステム」へ。既存の免許制度の転換を図ることも検討したいと考えています。

Writer

今村 久美 代表理事

79年生まれ。岐阜県出身。慶應義塾大学卒。NPOカタリバ代表理事。ここではゆるくつぶやいていきます。

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