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私の生き甲斐!調理ボランティアの日。[代表のつぶやき]

vol.288Voice

カタリバの某拠点では、休館日と年末年始以外の毎晩、ここに集まる中高生に夕ご飯を出しています。今日は私にとって一ヶ月のうちで一番楽しみな調理おばちゃんの日!私、もうすっかり現場の仕事から離れてしまったので、月に一度、調理のおばちゃんボランティアをやらせてもらっています。

この施設は、行政のソーシャルワーカーや学校の先生たちが子どもたちの家庭環境などをかんがみてカタリバの居場所について伝え、リファーされてきた子たちが登録して利用する場所。スティグマに配慮してここの住所も明かしていないし、看板もありません。ですので、いわゆる子ども食堂のようにオープンな場所ではないのですが、だいたい二つの拠点で200人ほどの中高生が登録していて、学習のサポートを受けたり、家庭の代わりにリビングルームで過ごしたりして、18時を過ぎると夕ご飯の時間になります。

私にとって、この20人分ほどの食事を一人でつくるというこの日がもはや、毎月の生き甲斐。中高生のたわいも無い雑談をラジオのように聴きながら、無心で野菜を切り、18時にあったかいごはんを出せるように計画的に調理することに、やっとこなれてきた感もある。

今日は、なかなかうまくできたと思って、テーブルにドヤ顔で並べてみたけど、あーなかなか厳しかったな。ごはんだよーと言うと、4人くらいさっとやって来て、いただきまーす!と食べてくれたけど、さっきまで「腹減った〜」と言っていた女子が、無言でテーブルの上をみて小さい声で「無理……」と立ち去った。え〜おばちゃん寂しいぞと思いつつ、聞かなかったふり。その周りの女子たちも「あたしたち、ごはんは大丈夫っす〜」「マック行くんで」などなど、なかなか目を合わせてくれないぞ。うちの若いスタッフのみんなが、私に気遣って「食べなよー」と中高生に声かけてくれてたから、むしろ申し訳ない……。

野菜とタンパク質多めにしたんですけどね、見た目がダメみたいね。先月は手ごたえあったんだけども。たしかに居酒屋メニューみたいかな〜。来月はもうちょい中高生ウケを狙った盛り付けを研究するぞ!調理が終わってからも長くここにいると、おばちゃんの圧がうざいだろうから、我が子の元へ帰ります。みんな、少しは食べてくれたかなー。

大学生や20代・30代の若いスタッフが「お、来たじゃ〜ん」とか言いながらはにかむ中高生たちを笑顔で出迎えて、親戚の兄ちゃん姉ちゃんみたいに語り合って、大笑いしたり、ときには諭したりしながら、当たり前のたわいもない日々をここで過ごしているところを見守っていると、なんだか幸せを感じるおばあちゃんの気分。自分が中高生と関わっていたあの頃は気になったことも、大きく捉えられるようになった自分にも気づきます。ますます歳をとるのも楽しみになってきたなあというのも、今日の感想。

私は月に一度だけ訪問しているだけなので、月一回のボランティアをこうして大げさに書いちゃうけど、ここを毎日、朝から22時まで切り盛りしているスタッフのみんながいてくれるからこそ、子どもたちの当たり前の毎日がつくれています。

カタリバの中に複数ある職種の中でも、途方にくれることが多い傾向にある仕事ですが、悩みながらも真剣に取り組むメンバーのみんなにとって働きやすい環境&彼らが自分自身のことも大切にできる環境を、経営としてはどう応援できるか、私に問われているのはそこだと思っています。

▼カタリバのこの拠点の日々をマンガで発信しているので、ぜひご覧ください!
https://note.com/katariba/n/n0d934766c139

Writer

今村 久美 代表理事

79年生まれ。岐阜県出身。慶應義塾大学卒。NPOカタリバ代表理事。ここではゆるくつぶやいていきます。

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