
経済的に困難を抱える家庭の子どもたちに、PCとポケットWi-Fiを無償で貸出し、オンラインでの多様な学びのプログラムの提供と伴走支援を行う「キッカケプログラム」にて、まだまだ発展途上である『保護者』への支援プログラムを中心に、企画・開発に携わる新メンバーを募集しています。
この職種で働くスタッフ
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富永 みずき
1995年生まれ、神奈川県出身。新卒として教育ベンチャー企業へ就職。中高生の学習支援やキャリア教育事業を担う部署にて年間数百名規模の講師採用を含むHR業務全般を担う。2020年8月、自身が高校生だったころから掲げていた「子どものための保護者支援」をすべく、カタリバへ転職。キッカケプログラムで保護者領域にて、プログラムの開発・運営をしている。
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和田 果樹
1990年生まれ。兵庫県出身。東京大学大学院教育学研究科修了後、新卒で認定NPO法人カタリバに入職。東日本大震災の被災地で子どもの居場所や学習支援に従事するが、社会人になった矢先に母が難病を発症し、介護のため入職後1年半で休職。およそ2年半の介護を経験しながら、全国の高校の探究学習支援に携わる。自身の介護の経験から、現在はキッカケプログラム内でのヤングケアラー支援の立ち上げと企画運営を担当。
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池田 利基
1993年大阪府生まれ。専門は社会心理学。行政による生活困窮世帯向けの伴走支援に携わる中で、データに基づいて答え合わせをしない伴走の在り方に違和感を抱く。これは社会課題だと考え、大学院在籍中に「科学的根拠に基づく伴走を全国に普及させる」を理念とした、伴走の効果検証に関する事業を立ち上げる。多数のNPO等と協働した後、現在はキッカケプログラムを中心に各種伴走の効果検証を行っている。DataCast代表、江戸川大学非常勤講師を兼務。
募集の背景
貧困の連鎖をまなびのチカラで断ち切る
これまでの教育や社会が取り残してきた、経済的に困難を抱える家庭の子どもたち。 外からは見えにくかった格差や課題は、コロナ禍によってあらわとなりました。なかでも、オンライン学習の普及が急速に進んでいく一方で、ICT環境が家にない子どもたちが学習機会を十分に得られないことは、大きな課題となっています。
貧困の連鎖を断ち切るのは、学びです。「困っている子どもを誰一人とりのこさず、学習機会やサポートを届けたい」という想いのもと、2020年3月にキッカケプログラムはスタートしました。キッカケプログラムは、パソコンとWi-Fiの無償貸与と、専任の「メンター」による子ども・保護者への伴走支援による支援を、のべ1,500人以上の子どもたちに届けてきました。
子どものための保護者支援
キッカケプログラムでは『親子の関係性の基盤づくり/改善の礎を築いていくための保護者支援プログラム』の開発を進めています。子どもの非認知能力を高めるために重要な要素となる親子関係ですが、キッカケプログラムを利用する保護者には、生活の中に「余白」を持つことが難しく、子どもと良好な関係性を築きにくい状態の方が多くいます。そのため、保護者の状態に合わせた「居場所づくり」を、面談やイベント、研修などで提供し、前向きに子どもと向き合えるような支援を行っています。
今回の募集は、この保護者支援のプログラムの企画・開発担当を求めるものです。多くのステークホルダーとかかわりながら、今まで見えていなかった課題や「正解」のない問いに、一緒に取り組んでいただける方を募集しています!
仕事内容
キッカケプログラムにおける保護者支援プログラムの企画・開発を担当します。
一部、キッカケプログラム内の新規事業領域として開発中の「ヤングケアラー向けプログラム」も担当いただきます。
(1)保護者支援プログラムの企画・開発
■支援メニューの充実・改善
保護者に届ける面談やイベント、研修などの支援を、現場のニーズをもとに企画します。実装後は現場からのフィードバックを踏まえて改善していきます。
■事業部内の他チームとの連携
子ども伴走を担当するチームや実証実験を行う研究チームなど、事業部内の各チームとの連携を行います。子どもと保護者の両方を支援する事業だからこそ、包括的な「家庭丸ごと支援」を実現するために、密にコミュニケーションを取りながら事業を推進していただきます。
■事業を横断した連携
カタリバ内では、様々な事業部がそれぞれの支援対象に向けたサービスを提供しています。「保護者支援」領域において、他事業部や専門家と連携し、ヨコの繋がりを活かした支援の企画・開発にも携わっていただきます。
■業務改善・営業事務
まだまだ整理されていないことも多い事業フェーズのため、「業務効率化」や「分掌整理」にも力を入れています。既存のやり方に捉われず、担当いただく分野のオペレーション改善を担っていただきます。
(2)ヤングケアラー向けプログラムの企画・運営
ヤングケアラーとは
「家事や家族のケアを日常的に担う子どもたち」のことです。少子高齢化、ひとり親家庭・共働き家庭の増加などの社会的な背景の中で、担い手の減少により、ケアが必要な家族のいる家庭の子どもたちに掛かる負担が増えています。
そこで、キッカケプログラムでは、ヤングケアラーの子どもたちの機会格差の是正のために、事業開発に積極的に取り組んでいます。
※下記の業務のうち、事業責任者と相談のうえ、ご担当いただきます。
■ メンターによる伴走プログラムの企画・設計
キッカケプログラムでは、メンターと呼ばれる伴走者が、1年間通して週1回、定期的に面談を実施しています。その伴走プログラムの、ヤングケアラー向けのカスタマイズ、スムーズなプログラム遂行のためのメンター向け研修やフォローアップなどを担当します。
■ 拡張プログラムの企画・実施
例えば、ヤングケアラーの保護者に向けた「自分ひとりじゃない」と感じられるピアサポートや親子関係に関するワークショップなど、保護者向け拡張プログラムの企画・実施(ファシリテーション含む)を担当します。
■ その他、プログラム運営に関わる業務
家庭・子どもたちを行政や専門家につなぎ、家庭の負担を減らすための連携を行ったり、自治体連携モデルの開発に伴う協働など、プログラム運営に関わる業務全般に携わる可能性があります。
仕事のやりがい
ー「子どもと保護者両方の支援に、同じ熱量で向き合える」
キッカケプログラムの大きな特徴として、子どもと保護者の両方を支援しているという点が挙げられます。子どもの非認知能力向上に向けたカリキュラムのアップデートを日々行う一方で、子どもが「できるようになったこと」や「好きになったこと」を、ファーストプレイスである『家庭』で話せる環境を作ることに、保護者伴走チームは向き合っています。
ー「子どもが受けた支援を、子どもにとっての”非日常”にしない」
保護者の心の余白をつくり、支援によって生まれた子どもの変化をありのまま受け入れられる状態を目指して、潜在的な課題やキーファクターを、全員で一丸となって探し続けています。「まだ名前のついていない社会課題」に向き合い、試行錯誤を重ねながら一歩ずつ事業を形にしていけることがやりがいのひとつです。
加えて、多くのステークホルダーが関わるプロジェクトのため、職員自身にとっても学びの機会に溢れています。例えば、年齢やバックグラウンドも多種多様な約100人のメンター、研究者、臨床心理士、社会福祉士など、それぞれの専門性を持ち寄ってキッカケプログラムを支えてくださる方々から知見や視座を得られる、常に新鮮で刺激的な環境です。
前述のとおり、子どもの成長や変化に寄与するための保護者支援プログラムの開発は、まだまだ発展途上です。もしかすると、保護者の変化は、子どもの成長のように目に見える形で表れるようなものではないかも知れません。その「まだ見えていない変化」が子どもたちの未来につながると信じて探究できる方にとって、沢山の挑戦ができる仕事です。
〈スタッフインタビュー〉
― 中島 典子(元・メガバンク)
― 石井 丈士(元・国際NGO)
― 富永 みずき(元・教育ベンチャー企業)
― 和田 果樹(新卒・元マイプロジェクト全国事務局)
― 土屋 雅貴(元・テーマパーク運営企業)
― 池田 利基(社会心理学研究者)
スタッフの1日
在宅勤務がメインですが、現在は週1回ほど高円寺オフィスに出社して、顔を合わせて仕事する機会を設けています。また、リモートワークの日もZoom上の仮想オフィスで勤務するなど、工夫しながら連携を深めています。その他、日常的なコミュニケーションには、Slack、LINE WORKS、Google Workspace などを用いています。
●ある日のスタッフの1日
ー 9:50・・・出勤
ー 10:00・・・チームメンバーとの1on1
ー 10:30・・・個人作業時間(slackやメール確認など)
ー 11:00・・・チーム内朝礼参加
ー 11:15・・・チームメンバーとの業務進捗確認
ー 11:30・・・ヤングケアラー家庭向けプログラムの開発会議
ー 12:00・・・保護者伴走チームの運営関連会議
ー 13:00・・・保護者伴走チームの開発関連会議
ー 14:00・・・休憩
ー 15:00・・・新プログラムの企画書作成
ー 17:00・・・心理士やソーシャルワーカーとの高難易度ケース相談
ー 18:00・・・個人作業時間(資料作成や現場メンバーとのやり取りなど)
ー 20:00・・・退勤
※平日の19時~22時、土日数時間の勤務が毎月定期的にあります
求める人物像
- 「子どもたちだけでなく、保護者も含めて家庭を丸ごと支援していく」というキッカケプログラムの想いに共感する方
- 「教育のICT化」、「貧困」、「地域格差」、「保護者支援」、「ヤングケアラー」などのワードに関心がある方
- スピード感のある事業分野にて、裁量のある環境に身を置いて成長したい方
- 多種多様なバックグラウンドを持つメンバーとのコミュニケーションを楽しみつつ働くことができる方
求めるスキル・経験
- 自律的に課題発見・仮説検証のサイクルをまわしていける主体性
- 成果に向かって計画的にプロジェクトを管理・推進した経験(規模不問)
- 詳しくは、募集要項内を参照
募集要項
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雇用形態
正職員
※非常勤職員、業務委託などのご希望があれば応相談 -
募集職種
プログラム企画・開発
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配属部署
キッカケプログラム
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配属部署の体制
事業責任者のもと、フルタイム職員9名、パートタイム職員1名、業務委託パートナー15名、メンター約99名(子ども伴走66名、保護者伴走33名)、ボランティア4名の構成です。
チームは大きく、子ども伴走チーム、保護者伴走チーム、ヤングケアラーチーム、運営チームに分かれており、今回ご参画いただく方には、子ども伴走チームとヤングケアラーチームを兼務していただく想定です。
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勤務地
NPOカタリバ本部オフィス
東京都杉並区高円寺南3-66-3 高円寺コモンズ
JR中央・総武線高円寺駅徒歩5分
※リモートワークメインですが、必要に応じてオフィスへの出社も発生します
※現在は週1回程度の出社割合ですが、今後変更になる可能性もあります -
勤務時間
11:00-20:00
※始業時間の調整など応相談です -
給与
想定年収350~550万円
※ただし、当社規定により経験・能力を考慮し、面接・面談後に決定月給 25万円~
(45時間分の時間外手当として6.4万円~を含む/超過分は別途追加支給) -
待遇・福利厚生
・賞与は業績に応じ年1回支給
(過去3年、給与の2ヶ月分以上を支給/初年度は勤務月数により変動)
・昇給は半年に1回、人事考課により決定
・社会保険完備(雇用、労災、健康、厚生年金)
・産育休制度
・通勤手当(上限3万円)
・帰省にかかる費用の一部補助(地方拠点のみ対象)
・セミナー、研修参加サポート
・先進事例視察研修
・健康診断、インフルエンザの予防接種
・専門家によるオンラインカウンセリング
・屋内禁煙
・副業も可能です(内容に応じて要相談) -
働く環境・職場の雰囲気
*服装は自由です
*役職は付けずお互いにあだ名で呼び合うなどフラットな社風です -
休日休暇
完全週休2日(土日祝)
・夏期休暇(3日)、年末年始休暇(5日)
・慶弔休暇、産休・育休、看護・介護休暇
・有給休暇、新規入職者に対する特別休暇 -
契約期間
有期雇用(3年)
※3年後の面談で双方問題なければ無期雇用に転換または延長いたします -
応募資格
<必須>
― 自律的に課題発見・仮説検証のサイクルをまわしていける主体性
― 成果に向かって計画的にプロジェクトを管理・推進した経験(規模不問)<歓迎>
― 教育・研修等のプログラム・カリキュラムの企画・開発経験
― ピープルマネジメント経験(アルバイトなど含む)
― 教育・福祉領域の経験・知見 -
採用予定人数
若干名
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選考プロセス
▼書類選考
▼一次面接(採用チーム)
▼二次面接(事業責任者など)+Web適性検査
▼最終面接(代表理事・事務局長)
▼内定※平均3~4回の面接を経て内定となります
※基本的にはオンライン面接ですが、選考プロセスのなかで一度、配属予定の拠点にお越しいただくことが多いです
※選考期間は概ね2〜4週間程度です。候補者の状況によって、最短2日にまとめて実施するなど希望に沿ったアレンジも可能ですのでご相談ください