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vol.013

誰よりも教育の可能性を信じ、
一人でも多くの子どもたちに
意欲と創造性を届ける道を探して
挑戦し続ける。

スタッフはもちろん子どもたちから保護者まで、絶大な人気と信頼を集める加賀。震災後、コラボ・スクール大槌臨学舎での1ヶ月半のボランティア経験を経て職員となり、すぐにマネージャーを任される。今では足立区の新拠点の立ち上げメンバーに抜擢され、2拠点目の立ち上げも行い、現在は拠点長として活躍する。区からの信頼も厚い。成果にこだわり、成長に貪欲であり続けるように見える、彼のこれまでとは?

DAISUKE KAGA

アダチベース

  • カタリバ経歴

    2012年4月 ボランティアとしてコラボ・スクール大槌臨学舎へ。
    2012年5月入職 1ヶ月半のボランティア活動を経てそのままコラボ・スクール大槌臨学舎の職員に。
    リーダーの右腕として4年間活躍。
    2016年4月 足立区内の新規拠点立ち上げメンバーとして東京へ異動。
    2018年4月 足立区内2拠点目の立ち上げに伴い拠点長に。
  • 趣味

    銭湯に行くこと、おいしいものを食べてお酒を飲むこと、サッカー、読書

  • 好きな言葉

    言うことは壮大、やることは愚直

あの日、教え子にかける言葉を
見つけられなかった無力感から、
被災地に向かった。

加賀さんは教員からカタリバに転職されています。
入職するまでの経緯について聞かせてください。

加賀:

カタリバに入る前は、東京都足立区にある母校で2年間英語教員をしていました。子どもの頃は英語が嫌いだったのですが、中学の頃に入った塾の英語の先生がすごくおもしろくて。先生がおもしろいから英語が好きになって、好きになったら一気に得意教科に変わって。教える先生によって学ぶモチベーションがこんなにも変わるのか、という原体験になりました。英語教員になることを意識したきっかけです。

実際になってみて、教員の仕事は自分に合っていると思いました。子どもたちは英語を好きになれば点数が上がります。どうやったら英語を楽しいと思えるか、好きになるかを設計して、授業に反映していく。どんな声かけをするかだけでも、表情はどんどん変わります。自分の働きかけで子どもたちに変化を起こすことができると思ったし、変わっていく子どもたちの姿を見ていることが何より楽しかった。

この仕事が好きだからこそずっと続けていきたいし、もっと子どもたちに色々なことを届けられる教員になりたいと思うようになって。自分の引き出しを増やせるうちにできるだけ増やしたほうがいいと思い、一度教員を辞めてオーストラリアに留学することにしました。

教員として成長するために、一度教員を離れて留学に行こうと。

加賀:

はい、そう考えていました。

でも留学する直前の3月に、東日本大震災が起きた。東京も揺れたので、生徒たちを小講堂に避難させて。大きなモニターに流れる津波の映像やニュースをずっと見ていました。生徒たちも口を開けたまま、画面をじっと見つめている。

僕はその時、彼らに何も言えませんでした。未曾有の災害を前に、教え子たちにかける言葉を見つけることができませんでした。教師としても一人の大人としても、ものすごい無力感を感じて…

そんなもやもやした気持ちのまま、まずは決めた道を進もうとオーストラリアへと渡りました。向こうでもチャリティ活動に取り組みながら、ずっとあの日感じた無力感と、何もせずに日本を出たという後ろめたさと向き合っていた。日本へ戻ったら教員の仕事に復帰するのではなく、まずは被災地に行こう。現地に行って何か自分にできることをしようと考えていました。

留学も終わりが見えてきた、帰国の2ヶ月前くらいに、偶然高校の同級生がカタリバで働いていて、“被災地での教育ボランティアを募集している”とSNSにアップしていました。これだ!と思ってすぐ彼に連絡をとって。ボランティアの面接を受けて大槌へと行くことが決まったのが2012年1月のことです。

子どもたちの意欲と創造性を
育むために。
責任を持ってコミットメントする覚悟。

ボランティアとして活動を始めて、どんなことを感じましたか?

加賀:

コラボ・スクール大槌臨学舎ができたのは2011年12月、僕が入ったのは2012年4月です。3月の入試まで全員野球でなんとか乗り切って、さてこれからどうしようというタイミング。子どもたちの募集や授業の設計など、どんな組織をつくって何を子どもたちに届けていくのか、臨学舎の方針から仕組みまでゼロベースで体制をつくっていくときに、ボランティアスタッフとして入りました。

1ヶ月半のボランティアのつもりで行って、必死になって活動しているうちに、本当に1ヶ月半で帰るのか?何のために東北に来たんだ?と自分に疑問を持つようになって。「自分のために東北に来た」というエゴに気付かされて…

被災地の子どもたちのため、という気持ちはもちろんありました。でもあの日感じた自分の無力感を晴らしたい、自分が納得したいから被災地に来たんじゃないか?と。教育に関わる以上、短期で子どもたちにできることは限られる。ただの自己満足でいいのか?こんなに素直に向かってくる真っ直ぐな子たちにちゃんと応えなくていいのか?と思うようになって。

もっと長いスパンで関わろう、向き合おうと決めて、東京に戻らずそのままカタリバの職員になりました。

その覚悟が、1ヶ月のボランティアの予定を変更して、
職員として4年間東北で活動した背景にあったんですね。
その後、東京都足立区の新規プロジェクトを担当されていますね。

加賀:

教員だった時は、目の前の子ども一人ひとりをいかに成長させられるかを考えていました。大槌に来た当初もそうです。それがまちの子どもたち全体になり、東北の子どもたちになり、日本の子どもたち全体に広がり、より多くの子どもたちに届けたいという思考が強くなりました。そうなるにつれて、教員に戻る選択肢が徐々に消えて、どうすればもっと日本の教育に大きなインパクトを与える仕事ができるかを考えるようになって。

そのためには、事業開発の経験や経営的な知識やスキルなど、もっと自分の幅を広げなければと。これまで全く経験したことがない、未知の挑戦に取り組みたいと考えるようになった時に、東京都足立区で始める新しいプロジェクトの立ち上げに挑戦しないかと声をかけてもらいました。経済的に困難な家庭環境にある子どもたちのための居場所と学習支援拠点を立ち上げるというミッションです。

東京都足立区は、教員としても勤められていた出身高校がある場所ですね。

加賀:

はい、でも恥ずかしながら、全く知らなかったんです。足立区に子どもの貧困という課題があることを。区が発表しているデータを見て驚きました。例えば経済的な理由で学用費などに必要な費用の援助を受ける就学援助受給率が、国平均よりも都平均よりも足立区は圧倒的に高い。高校生だった時も、教員として母校に戻ってからも、私立だったということもあって、一度も貧困という課題を感じたことがなかった。

自分の「見えていなさ」に頭を殴られるような衝撃を感じました。どれだけ同質性の中で生きてきて、無自覚に社会の分断に参加しているのか。生まれ育った環境によって、意欲と創造性を育む機会が左右されている。そんな課題の自分も当事者であることを強く意識して、なんとかしたいと感じました。

まだ東北でやるべきことがあるんじゃないか?という気持ちもありましたが、困難な環境にあるこどもたちに居場所と学習を届けてサポートすることは、東北の経験もいかせる。そうすればより多くの子どもたちに機会を届けることができると捉えて、新しいミッションに全力を尽くそうと、異動を決めました。

壁にぶつかりながら成長する。
それは苦しみではなく、
新しい世界を知る楽しみ。

新たなミッションへの挑戦はどうでしたか?

加賀:

プロジェクトについては、ずっと教育畑でやってきたカタリバにとっても自分も、初めての福祉部局とのプロジェクト。福祉と教育は考え方に違いがあって、でもどちらも必要だからこそ、どうやって接続するのか、難しいチャレンジでした。

ここに来る子どもたちにとって大切なことは、心の安全基地を獲得すること。ついすぐに頑張らせようとしてしまうのですが、まずは安心して通える関係性をつくり、安心安全なもう1つの家だと思える環境をつくる。でも、いつまでもただいるだけでいいというのではなく、どんなに小さな1歩でもいいから前に進むサポートをする。そうやって、教育を福祉の観点から捉え直すことで、より多くの子どもたちにきっかけを届けられる手応えを感じています。

僕は、教育には1番可能性があると思っています。大企業の経営者も有名な起業家も、みんな教育に参入してきていますが、国や社会をつくるのは人で、人が1番大事。人を育てるのは教育なので、誰しもが可能性を感じて教育に関わってくる。資金的にも人的にも今よりもリソースが集まればもっとよくなって、その分人も育ちます。そのためにできることを探し続けたい。しかも教育的な価値観だけではなく福祉的な観点と融合することで、新しいサービスを開発していけると思っています。

ご自身についてはいかがですか?

加賀:

振り返ってみると、足立区でのプロジェクト立ち上げから2年、がむしゃらにやってきて、成長したなと素直に思えます。何にでも手をあげて自分で機会をつくったことで、ものすごい量をこなした経験が自信に繋がっています。物件探しや交渉、家具の組み立て、食事づくりをしてくれる地域の方々との関係性づくり、東京大学大学院教育研究科の市川先生との連携、地域のNPOとの恊働や企業連携、区とのパートナーシップの組み方、事業報告のフォーマットやプロポーザル資料づくり、ボランティアやインターンを集めるためのWeb施策や採用説明会、組織づくり、事業計画の作成、月次の収支管理…

2年間初めての挑戦の連続でした。もちろんうまくいくことばかりではなくて。外資系企業に寄付の提案に行った時には、「意味が分からない。あなたたち何がしたいのか、寄付をした結果どんなインパクトがあるのか分からない。」とはっきり言われたことも。でも失敗も含めて大きな成長機会。未経験の挑戦を望んだのだから、失敗は当たり前。毎日壁しかないなと思いましたけど、何度ぶつかっても向き合い続けたからこそ、今の自分があると思います。

これからについてはどう考えていますか?
また新しい挑戦に取り組みたいという気持ちがあるんでしょうか。

加賀:

これからの目標は探し続けているというか、悩みながらではあるのですが、2つあって。

より多くの子どもたちに意欲と創造性を育む機会を届ける方法を模索することは変わらない目標なので、そのために、1つはマネージャーとして一流になること。より多くの人をエンパワーメントできるようになれば、より多くの子どもたちにその力を波及させることができます。大きな組織をマネジメントできるような、プロフェッショナルを目指すことを考えています。

一方で、自分自身の教育的な専門性を高めていきたい気持ちもあります。例えば、これから本当に必要となる学力や学びとは何なのか、どうすれば良質な学びを手にできるのかを深めていく。そんな風に、教育という領域の中で軸となる専門性を深めることもしていきたい。

常に新しい目標や挑戦を求めているように見えますが、
ストイックに成長を目指す源泉となるモチベーションは何でしょうか?

加賀:

ストイックにやっているつもりはないんです。自分ができないことを見つけてそれを埋めるための努力をする、そういう成長も大切だとは思いますけど。シンプルに新しいことを知るのが楽しいなと思ってやっています。新しい世界を知って、できることが増えて、見えていなかったものが見えるようになって、思いもよらなかった出会いが生まれたりする。

それが楽しいから、学び続けたいと思うし、挑戦し続けたいと思っています。

(おわり)

東京に異動してからも毎年祭りのために大槌に帰る。第二の故郷になった。

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