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認定NPO法人カタリバ (認定特定非営利活動法人カタリバ)

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vol.017

主体的に人生を歩める若者に
溢れた未来のために。
寄付というアクションで
応援してくれる
賛同者を増やすための挑戦。

NPOカタリバの事業の多くは賛同いただいた寄付を財源に運営しており、その金額は年間約3億7800万円(2016年度実績)。広報・ファンドレイジング部が担当している。善木は、2013年に入社。広報・ファンドレイジング部のマネージャーであり、現在は一児の母でもある。誰からも信頼される人柄と、高い目標を持ちながらも、時短勤務で自分の業務とマネジメントを両立するその姿は、若手スタッフの憧れであり目標となっている。そんな順風満帆にみえる善木が教育NPOに転職してきた背景とは?

MARIKO ZENKI

広報・ファンドレイジング

  • カタリバ経歴

    2013年2月入職 出張授業カタリ場プログラムの広報を担当
    2013年10月 広報・ファンドレイジング部へ異動
    2014年9月 部署責任者へ
    2015年8月-2017年4月 産育休
    2017年5月 広報・ファンドレイジング部のマネージャーとして復職
    WEBマーケティング・法人営業部門を担当
  • 趣味

    バトミントン・ミニチュア(ジオラマやドールハウス)

  • 好きな言葉

    熱意はスキルを超える

自分自身が、カタリバが必要な
高校生だった。
やっと見つけた環境問題という使命。

もともとのバックグランドは、
「教育」というテーマではなかったんですよね。

善木:

私自身「カタリ場」が必要な高校生でした。自分が何をやりたいのか軸が全くなくて、意欲的に将来のことを考えられなくて。高3で進路を決めるときの一番重要な心配事は、理系だったので、選ぶ学科によって女の子が少なくて友だちができなかったらどうしよう、ということでした。機械工学とか数学科とか、興味も持てないし、いかにも女の子が少なそう・・・それで浮かび上がってきたのが建築学科でした。デザインの要素があって楽しそうだし、女の子もいそうだなと、そんなひどい消去法で進路を決めました。

でも、いざ入学すると、周りの熱量に圧倒されてしまって。どの建築家が好きだとか、この建物は誰が手がけたとか、そういう会話が普通。みんな建築に対して相当な情熱と目的意識をもっていました。私みたいになんとなく建築学科を選んだ、みたいな人はあまりいなくて。自分がここにいていいのか、ずっともやもやしていました。

転機は一般教養の授業で“環境と文化”という授業をとった時です。朝日新聞で記者をされていた方が客員教授として担当されていて、環境問題によって地球がどのくらい深刻な状況にあるのか、分かりやすく教えてもらえる授業でした。「私はこれだ」と。「このままじゃ地球は大変なことになるんだ!自分はこれを解決するために何かしよう!」と素直に思って。今思えば、強い問題意識を持ったというよりは、周りの子たちみたいに、何か自分の使命だと思えるものや居場所が欲しかったんだと思います。

環境系の学部に転部することも考えましたが、親の反対もあって叶わず。環境問題の活動をしているNGOを見つけて、そこでの活動にのめりこむようになりました。そしてそのまま卒業後、その環境NGOへ就職しました。

建築学科から新卒で環境NGOに就職。かなり珍しかったんじゃないですか?

善木:

そうですね、相当めずらしい選択でした。建築学科に進む人って大学院まで進学して、ゼネコンなど建築業界へ就職していく、1級建築士の資格をとる人が大半なので。2008年のことなので、当時はまだソーシャルビジネスとかNPO・NGOって言葉も社会に浸透していませんでしたし。

でも、NGOで活動をしていくうちにいろいろな大人と出会って、本当に多様なロールモデルとなる大人たちと出会いました。その出会いを通じて視野が広がったから、ニッチな生き方を選ぶことに不安や迷いは感じなかったのだと思います。

多くの大学生と仕事を
共にしてきたからこそ見えた、
若者の生きづらさという社会課題。

学生時代に情熱を燃やしたことをきっかけに、
環境NGOの活動にのめり込んでいくなかでなぜ心機一転、
教育NPOであるカタリバに転職しようと思ったんでしょうか。

善木:

環境問題に取り組むうちに問題意識の軸が、若者の意欲へと移っていったんです。
当時勤めていたNGOは職員の数は少なくて、活動の中心を大学生のボランティアが担っていました。1年で2,000人くらいの学生ボランティアと関わって、インターン生として活動する学生は100人くらい。インターン生とはプライベートも含めて深くコミットしながら同志として活動するので、日常的にたくさんの悩み相談にのりながら、心の内側を掘り下げるコミュニケーションをとっていきます。そうすると、生きづらさを抱えている若者たちがあまりにもたくさんいて。しかもそれが年々増えていく感覚がありました。

5年間でものすごい数の学生に触れたので、アンケートなどで見えてくる数字よりも、肌感覚で強い課題感を感じていました。

例えば、ある学生と一緒に仕事をしていたとき、彼女をちょっとチャレンジングな役割にアサインしようとしたら、「自分はチャレンジしちゃいけない人間だと思っている」と言うんです。親から「あなたは何もできないから迷惑をかけないようにしなさい」と言われて育ったので、チャレンジしても迷惑をかけることが怖くてできないと。受験の失敗が人生を左右する大きな出来事として捉えていて「自分の人生は失敗だ」と悲観する人もたくさんいました。他にも、経済的な困窮や家庭内のトラブルなど、それぞれ種類や深刻さは違うのですが、みんな何かしらの生きづらさを抱えている。自分に自信を持てていない。

彼ら、彼女たちが陥っている状態は決して自己責任ではなく、背景を丁寧に紐解くと、そうした状況を生み出す社会構造があると思うようになりました。もちろん環境問題の解決も大事です。でも、そういった個別のイシューの前に、いきいきと自信を持って自分の足で主体的に人生を歩める若者が増えれば、世の中の多くの課題が解決しやすくなるのではとー。

そんなことを考えるようになった時に、以前一緒に環境NGOで活動した学生からカタリバの話を聞いたことをふと思い出して。ウェブサイトを覗いてみたら、ビジョンにあまりにも共感してしまって。自分が抱えていたモヤモヤが言語化されていることに驚きながら、職員募集に応募して、無事に採用されて今に至ります。

寄付というアクションに繋がる
共感を生むために。
レベルの高いチャレンジに挑む。

現在はどのような業務を担当していますか?

善木:

一つは広く多くの人から寄付という形で事業に参画してもらうことを目的に、私たちが捉えている社会課題や活動について知ってもらう取り組みです。ウェブマーケティングの手法を活用して、広告も含めてより効果的な情報発信の方法を探っています。

もう一つは法人営業です。寄付をいただいた企業様と一緒にボランティアの恊働プログラムを実施したり、感謝状をお届けしたり。継続的に応援していただくためのコミュニケーションを担当しています。あとは新しくお問い合わせいただいた企業様とお会いして、カタリバのご紹介やご提案をさせていただくこともありますね。

NPOの中にWebマーケティングや法人営業の仕事があることを
知らない人も多いかもしれません。
企業とは違った、NPOならではの難しさはありますか?

善木:

私たちは洋服を買う・食事などの消費活動の中から、あえて寄付をしてくれる人を増やさなくてはいけません。そうした市場で戦わなくてはいけないからこそ、ビジネスセクターのWebマーケティングの手法を取り入れながら、企業と同じ土俵で勝負をしています。企業が商品を売るのと同じようにチャレンジしているけれど、寄付はお金を払ったリターンが直接かえってこない。ある意味、企業よりもレベルの高いチャレンジをしていると思っています。共感はお金では買えません。モノを買うよりも、寄付というアクションのハードルはとても高い。難しいからこそやりがいがあるし、磨かれる力があると思います。

身につくスキルは非営利セクター特有のものではなく、ビジネスの世界でも活きるものです。ただマーケティングのセオリーを参考にしつつも、そのまま応用するのではなく、いかに現場と乖離せずに共感してもらえるクリエイティブがつくれるか。そのバランスが重要です。なるべく現場に行ったり、スタッフにインタビューしたり、今どんなことが起きているのか理解することが大事。知らないと伝えることができません。団体の顔になる機会も多いので、プレッシャーでもありますが、組織の中にある多様な活動の全てを知ることができるのは、役得でありこの仕事の魅力でもあると思いますね。

子どもたちに直接関わらない、いわば後方支援というミッションですが、
やりがいはどんなところにありますか?

善木:

前職のときからずっと感じていたのが、どれだけ良い事業でもお金がなければ続けることはできないということです。より多くの子どもたちへ、より良いプログラムを届けるためのボトルネックに自分はしっかりと向き合いたいと思っていますし、自分の強みをいかしてビジョンの実現に貢献できる役割だと感じているので、やりがいがありますよ。

それに、実は広報・ファンドレイジング部ってすごくたくさん「ありがとう」と言われる仕事です。私たちは活動を応援してくれる人たちと直接コミュニケーションをとることができます。「カタリ場を届けてくれてありがとう」「こんな素敵な場を子どもたちへ届けてくれてありがとう」と言っていただく機会も多くて。そんな感謝の言葉を通じてカタリバの取り組む活動の価値や存在意義を現場に行かなくても感じることができます。

もう一つは、自分たちの成果をとても測りやすい仕事であることです。応援してくれる人の数や寄付の金額など、数字に如実に現れます。もちろん、数字がすべてではありませんが、ダイレクトに反応があるからこそ喜びも大きく、改善しがいもあると感じています。

この先の人生、どんな変化が起こっても
「意欲と創造性」を発揮し続けられる
自分でいたい。

2015年には第一子をご出産されて、産育休を取られています。
正直NPOにそういった制度がしっかりあるイメージがありませんでした…

善木:

一般的なイメージはそうかもしれませんね。カタリバは、代表自ら産休第一号をとってくれたので、非常に心強かったです。それに今は多様な人材も増えたので、スタッフの年齢の幅も広いです。人生のフェーズに合わせて働き方も変えていくイメージがしやすい状況でもありました。制度もしっかりしていますしね。産育休をとっているスタッフはたくさんいますよ。最近は男性スタッフも育休をとっています。

産育休をブランクと捉えて不安になる方も多いと聞きます。1年半たって復帰される際に不安はありましたか?

善木:

正直めちゃくちゃ不安でした。想像以上に子育て自体が大変で…100%仕事に集中できた時だって、全速力で仕事するのは大変だったのに、一体どうやって仕事と子育てを両立するの?と。任されたミッションを全うできなかったらどうしようとか、家族に負担をかけたらどうしようとか、ものすごく不安がありました。

今は時短勤務で働いていますが、保育園のお迎えがあるので、残業するという時間の延長は絶対不可能な状況です。周りも時間の制約があるのは分かっているし、限られた時間だからこそダラダラやらずにメリハリをつけて、いかに生産性をあげられるか考えるようになりました。その能力は上がったかなと思います。

それにカタリバは全国に拠点があることもあって、社員間で気軽に連絡がとりあえるビジネス用LINEのLINE WORKSが導入されていて、データや書類も全てセキュリティ管理されたクラウドで管理、オンラインでのミーティングも日常的に行われています。どこでも仕事ができる環境が整っているんです。例えば子どもが発熱してしまってオフィスに出勤できない時も、自宅で色々確認ができたり、オンラインでミーティングに参加できるなど、両立する上でとても助かっていますね。

今後の目標や実現したいことについても教えてください。

善木:

実はもうすぐ第二子出産のために、2回目の産育休に入ります。その間は多様な体験、情報の摂取を通じて、引き出しを広げる機会にできたらいいですね。子どもに関する考え事や費やす時間が増えたり、ママたち含め地元の方との交流も多くなります。地域の取り組みにも敏感になる。張り巡らすアンテナの方向、日常で接するコミュニティが変わるからこそ、社会のいち消費者、地域に生きるいち市民としての感覚を研ぎ澄ましたいと思っています。きっと、ファンドレイズする上でもその感覚は大事なんじゃないかと思うので。とはいえ、仕事を休まないと成り立たないほど大変な1年。そんな余裕はないかもしれませんが…

長期的な目標としては、これから子育てに限らず、介護が始まる時もやってくる。自分やパートナーが大きな病気になることもあるかもしれないし、大災害が起きるかもしれないし、大不況に陥るかもしれない。未来が予測不可能な人生100年時代、きっと様々なフェーズがあると思います。だからこそ「いつまでに◯◯を成し遂げる」とか、「◯◯の専門家になる」という目標の置き方ではなく、変化していく状況の中で、「その時々で自分が大事だと思うイシュー」に携わり続けること。そして仕事とプライベートどちらにおいても、自分がありたい姿を貫ける働き方を、自ら創り出していくというのが今の目標です。

カタリバが子どもたちに育みたいと思っている「意欲と創造性」を、自分自身も発揮し続ける、ということかもしれません。

と言いつつ、1回目の復帰でイメージはしやすくなっているし自信もついている一方、2人の育児と仕事の両立となると難易度が上がるのも事実。正直、戦々恐々としています…
そこは先人達に学びつつ、試行錯誤しながら自分なりの形を見つけていけたらと思っています。

(おわり)

子育ては大変だけど楽しい

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