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「民間と行政の間のポジションを探していた」大手メーカーでキャリアを積んだ青年がカタリバを選んだわけ/NEWFACE #015

vol.199Interview

date

category #インタビュー #スタッフ

writer 田中 嘉人

tag #NEW FACE
Profile

小松 渉 Wataru Komatsu 経営管理本部 企画チーム・労務チーム

1989年生まれ。福島県浪江町出身。福島県立磐城高等学校卒業後、上京。東京外国語大学にてタイ語とタイ経済を専攻。大学卒業後は、(株)小松製作所(コマツ)、三菱自動車工業(株)、美容系商品開発ベンチャーを経て、カタリバへ。現在は、予実管理や労務管理などを担当している。

ここ10年で、仕事のあり方・捉え方は、まったく違ったものになってきている。終身雇用は崩壊、転職は当たり前のものとなり、複業やフリーランスも一般化。テクノロジーの発達によって無くなる仕事予想も大きな話題となった。給料や肩書よりもやりがいや意味を重視する若者も増え、都会から地方にUIターンすることも珍しくなくなった。世界が一斉に経験したコロナ禍をへて、今後ますます働き方は多様に変化していくだろう。

そんな中カタリバには、元教員・ビジネスセクターからの転職・元公務員・元デザイナーなど、多様なバックグラウンドを持った人材が就職してきており、最近は複業としてカタリバを選ぶ人材もいる。その多くは20代・30代。彼らはなぜ、人生の大きな決断で、いまNPOを、いまカタリバを選んだのか?

連載「New Face」では、カタリバで働くことを選んだスタッフから、その選択の背景を探る。

「正直なところ、当初NPOで働くという選択肢はありませんでした」

そう語るのは、カタリバのバックオフィスで働く小松渉(こまつ・わたる)。大学卒業後、名だたる大手企業やベンチャー企業でキャリアを積んできた彼が新たな活躍のステージとして選んだのが、カタリバだった。もともとNPOで働く選択肢がなかった小松は、なぜカタリバへやってきたのか。さまざまな企業を見てきた小松が感じたNPOの魅力とは。

理想とする仕事を求め、挑戦し続けた20代

ーコマツ、三菱自動車と名だたる大手企業で経験を積まれていますが、そもそもの就職活動の軸は何だったのでしょうか?

2つあるのですが、1つは「社会の土台作りに関わる事業である」ということです。僕が就職活動をしていたタイミングで東日本大震災が起きて。就職活動を一時中断し、僕が地元の福島でボランティアをしているときに目にしたのが、力強く動くコマツの重機でした。

もう1つは、「グローバルに事業を展開している」ということです。大学時代、タイ語やタイ経済を専攻していたので、やはりいずれは海外事業に携わってみたい気持ちは強かったんです。グローバルに展開していることもコマツへの志望度を高めましたね。

ー入社後、販売子会社で法人営業を経験し、その後人事労務や海外向け重機の生産手配というポジションも経験したのち、三菱自動車へ転職しています。どういう気持ちがあったのでしょうか?

まずは、より一般消費者に近くマーケットが大きい事業に携わりたかったこと。であればやはりクルマだろうと。次に、海外営業部門で、大学時代に専攻していたタイの事業に関わりたいという思いがありました。

ー具体的にはどういった仕事内容だったのでしょうか?

メインで担当していたのは、タイ国内向け車両販売事業の事業管理です。年度予算を策定し、毎月の予算と実績の差異要因や先行き見通しをマネジメントに報告し、意思決定支援をしていく仕事です。ただ、仕事内容自体はすごく面白かったんですが、スケールが大きすぎるが故に自分の介在価値を見出すことがすごく難しくて。「自分の仕事が目に見える形で、組織の役に立っているという実感を持ちたい」と思い、より小規模な組織でのチャレンジを決意しました。

ーそして次に選んだのは、美容系商品開発ベンチャーと。今までとだいぶ毛色が違いますね。

ベンチャー企業を選んだのは、やはり「自分の介在価値を発揮したい」という気持ちが強かったためでしたね。100名規模の会社で、バックオフィス系を幅広く担当しました。入社早々、テレワーク導入にあたり、ツールなどの環境整備と社内規則の制定などに取り組みました。あとはeラーニングの導入もやりました。「なんでeラーニングが必要なんだっけ?」という段階から考えて、導入するサービスを決めて、運用を進めて……と、企画から運用まで一気通貫して担当することができました。

地方に必要なのは、教育なのかもしれない

ーお話をうかがっているとまさに順風満帆というか。ようやくやりたいことができる環境を見つけた印象を受けるのですが、なぜ転職を?

就職活動時点に軸として持っていた、「社会の土台づくりに携わりたい」「グローバルに働きたい」という気持ちと並行して、「地方のために何かしたい」という気持ちも持ち続けていました。ただ、町おこし的なイベントももちろん大事ですが、それだけでは十分ではないのではないかという考えもあり、「持続的に地方を盛り上げるためには」と考え続けた結果、たどり着いたのが「教育」というキーワードでした。

何か特別なきっかけがあったわけではないんです。もしかしたら父親が高校教師で仕事ぶりを間近に見てきたということが影響しているのかもしれませんが、ほぼ直感というか。ただ、他の地域の事例を見ていると、盛り上がっている地方では外部から来た人、いわゆる“よそ者”が旗振り役になっていることが多いんですよね。だから、「一度福島を出た自分にも役に立てることがあるんじゃないか」と思っていました。

ーなぜNPOを選んだのでしょうか?

正直なところ、NPOという組織についてはあまり理解していませんでした。公務員として地域で働くという選択肢もあるのかなと思っていましたが、フィールドが特定の自治体に限定されることに、あまりピンとこなくて。それに行政の立場だと自由にできることが限られてしまうのではないか、という懸念もありました。

一方、民間の事業会社だとどうしても利益を出すことが前提になってしまう。事業会社が利益を求めることは当然なのですが、民間と行政の間のポジションはないのだろうかといろんなキーワードで検索していたところ、偶然カタリバを発見。そのタイミングでNPOという存在を知りました。「ここで働いてみたい」という気持ちになれたのは、地元福島における「双葉みらいラボ」でのカタリバの取り組みを知ったから。行政でも民間でもない、NPOだからこそ果たせる役割があることを強く実感しました。

ーそれからどうされたのでしょう?

まずは採用のフォームから申し込みました。特定の職種を志望しているわけではないので、オープンポジションのフォームに入力して。そうしたらすぐに「説明会があるので参加しませんか?」と返信が来て、「わかりました」と。

ところが、説明会に参加して驚きました。想像以上にクリエイティブな環境だったからです。特に印象に残っているのは、「カタリバオンライン」に関する説明です。新型コロナウイルスが流行の兆しを見せ始め、学校の休校が始まった頃に、すぐに事業を立ち上げてリリースしていて。このスピード感は民間や行政には出せないレベルだと思うんですよ。

そんなときに採用担当の職員から、「経営企画のポジションで、これまでの経験が生かせる仕事がありそうです」と言われました。経営企画の責任者からも直接話を聞いたなかで働くイメージが湧いたので、「ぜひ選考を受けさせてください」と答えたのを覚えています。

組織の課題を解決していくことこそが、
バックオフィスの仕事

ーそしてめでたくご入職。現在の仕事内容を詳しく教えてください。

今は、予実管理や労務管理を担当しています。カタリバ全社の予算・実績の管理や、職員の勤怠管理・入退職手続きなどが、主な仕事になりますね。それに加え、健康経営に関する取り組みなど、幅広い案件に関わっています。周囲と相談しながら、仕組みを導入して、運用していくことに面白さを感じます。子どもたちと向き合う現場には直接関われていないのですが、事業をうまく進めるための制度や仕組みをつくっていくこと自体、すごく面白いです。

ー「スピード感」はどうでしょう? 「民間企業時代と比べて速すぎる!」とようなことはありますか?

それはなかったですね。バックオフィスの仕事は正確性が最優先なので。もちろん大企業のように何十層にも及ぶチェックがあるわけではないので、スピードも速ければ早いに越したことはありませんが、スピードだけを求めても仕方ないわけです。正確性とスピードのバランスを取りながら働けているので、特にギャップを感じることはありませんね。

ーカタリバならでの面白さがあるとしたらどのあたりでしょうか?

なんと言ってもカタリバが展開している事業の幅広さですね。教育分野において、「行政や民間ではここまではできない」という先進的な事業に間接的にでも触れられている点は大きな魅力です。

また、同時にもっと整備し、良くしていける部分も多いと感じています。特にコロナ禍において、社内の制度などについて見直していけるポイントが見えてくるようになりました。たとえば通勤手当も出社を前提にしているわけですが、リモートワークが主流になれば通勤手当という形での支給を見直す必要があるのかもしれない。そのあたりの運用を整備していく必要があると感じています。

「どこかが不足している」というよりも「時代に合わせてアップデートしていく必要がある」という感覚ですね。

そのためには僕ら一人ひとりが、リーダーシップを持って仕事をしていきたいです。小さな組織なので、ただ指示を待つのではなく、課題は何か、どう解決していけるかを自分のアタマで考えて、周囲と協力しながら物事を前に進めていく、そんな姿勢が大事だなと日々感じています。

ー最後に、小松さんの今後の目標について教えてください。

「人生をかけてこれをやりたい」みたいな目標が明確にあるわけではないのですが、「社会の土台に関わるような仕事に取り組んでいきたい」という気持ちに変わりはありません。目の前にあること、自分が興味あることに正直に向き合っていきたいと思っています。

カタリバは今後も事業は増えていくでしょうし、組織も変化していくと思います。カタリバがさらなる進化を遂げていくにあたり、バックオフィスの僕ら自身もアップデートしていきたいですね。

バックオフィスの僕らは、日々の仕事をミスなく着実に進めていくことが必要ですが、それに加え、カタリバにある課題を見つけて解決していくことも大事だと思っています。当然課題は部門によって異なる。そんなときに各現場のみんなときちんと向き合って、解決を目指していく。その過程では、思うように仕事が前に進まないときもあるかもしれません。でもそのプロセス自体を楽しみ、周りの仲間と協力しながら仕事を前に進めていけるような方と一緒に働きたいですね。

 

「スピードはもちろん大事だけど、正確性も大事。要はそのバランスですよね」。

スピード感のある環境において、「スピード」と「正確性」の両立は容易いことではない。しかし、だからこそ目を背けることなく、それらの両立に挑み続け、事業へと貢献していく小松。彼の存在は、カタリバという組織をより強いものにしてくれるはずだ。


 

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#01/「人生のビジョンを実現するために選んだ道」25歳の彼が国際NPOからカタリバに転職したわけ
#02/「自分の幅を広げたい」25歳の彼女が教員からカタリバに転職したわけ
#03/「豊かな人間関係がこの社会には必要」海外留学・商社勤務を経た彼がNPOカタリバに転職したわけ
#04/「いま純粋に毎日が楽しい」27歳で大企業からカタリバに転職したわけ
#05/「正解はない。だから、おもしろい」27歳でまちづくり団体からカタリバに転職したわけ
#06/「人それぞれの良さを伸ばしたい」26歳で外資系コンサルからカタリバへ転職したわけ
#07/「生の課題に触れられる仕事」高校2年でカタリバと出会った22歳が新卒入職したわけ
#08/「助けが必要なひとたちのために」国際NGOを立ち上げた青年がカタリバを志したわけ
#09/「事業のスピード感を加速させる」採用のプロが28歳でカタリバに転職したわけ
#010/「経験を掛け合わせて、自分の価値を高める」民間企業でキャリアを重ねた彼が、カタリバを選んだわけ
#011/「自分の人生を自ら選択する勇気を授けたい」大手鉄道企業からカタリバに転職したわけ
#012/アボリジニの生活支援を経て、帰国した青年がカタリバを選んだわけ
#013/「複業で、多様な視点を身に付けたい」教育スタートアップで働く青年が、カタリバを選んだわけ
#014/「子どもたちに第三の場所をつくりたい」元新聞記者がカタリバを選んだわけ


 

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Writer

田中 嘉人 ライター

ライター/作家 1983年生まれ。静岡県出身。静岡文化芸術大学大学院修了後、2008年にエン・ジャパンへ入社。求人広告のコピーライター、Webメディア編集などを経て、2017年5月1日独立。キャリアハック、ジモコロ、SPOT、TVブロス、ケトルなどを担当しながら、ラジオドラマ脚本も執筆。

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